世界の先端を走る学術研究都市、柏の葉キャンパス

柏の葉エリアには多くの教育・研究施設が進出し、千葉県内だけでなく関東地方でも有数の学術研究都市となっている。柏の葉エリアの教育・研究施設の特徴は、その活動が教育・研究施設内にとどまらず、行政や民間とも連携して、研究成果をまちづくりに生かす取り組みが行われていることだ。

こうした取り組みは、近年、ほかの地域でも幅広く行われるようになったが、柏の葉エリアはその先端を走ってきた。

柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)
柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)

「産学官連携」と呼ばれるこのような取り組みの基本方針として、千葉県では「柏の葉国際キャンパスタウン構想」が策定されている。これは、東京大学、千葉大学など柏の葉エリアに教育・研究施設を持つ大学や地元、柏市と協力して、柏の葉エリアを国際学術研究都市にしようとするもの。この構想に基づいて造られた施設が「柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)」だ。

この施設は、街づくりと、教育・研究施設と地域の交流の拠点として造られ、単に会合の場を提供するだけではなく、都市デザインや街づくりの分野でさまざまな社会実験を行う場所ともなっている。

研究成果を技術に生かす拠点として機能しているのが「東大柏ベンチャープラザ」。ここでは、新しい産業やビジネスを起こしたい企業と、大学の研究者を結び、ビジネスの拠点としてのスペースを提供している。実際にここからスタートして、大きく発展したビジネスも多いという。

東葛テクノプラザ
東葛テクノプラザ

「東京大学 柏キャンパス」の隣にある「東葛テクノプラザ」は、千葉県北西部エリアの企業に技術支援などを行う施設。主に中小企業に対して技術支援や研修を行っている。

千葉大学環境健康フィールド科学センター
千葉大学環境健康フィールド科学センター

新しい産業を発展させるには、地道な研究が欠かせない。こうした研究を担当するのが「東京大学 柏キャンパス」や「千葉大学 柏の葉キャンパス」だ。

とくに「東京大学 柏キャンパス」は、「柏キャンパス」と「柏IIキャンパス」の2ヵ所に広大な敷地を持ち、「東京大学宇宙線研究所」や「東京大学大気海洋研究所」、「新領域創成科学研究科附属生涯スポーツ健康科学研究センター」など、先端科学の研究施設が設置されている。

KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)
KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)

近年は新たな動きも見られる。「KOIL(柏の葉オープンイノベーションラボ)」は、企業や個人が集まり交流を通じて新産業を生み出すクリエイティブなイノベーション拠点だ。「KOIL」に隣接する「東京大学 柏の葉キャンパス駅前サテライト」は、超高齢化、次世代交通、エネルギー創成などの分野において、東京大学の膨大な研究資産と企業を結びつける施設だ。

柏の葉カンファレンスセンター
柏の葉カンファレンスセンター

「柏の葉カンファレンスセンター」は、約400名収容の大型ホールをはじめ大小6室の会議室でセミナーから展示会まで幅広いニーズに対応し、ホテルとの連携により国際会議も可能。

こうした最先端の研究と技術の融合、発信の場を作り上げることにより、今後も柏の葉エリアは、世界をリードする学術研究都市として、重要な役割を果たしていくことになるだろう。