産業と科学技術を学ぶ体験型博物館

千葉県立現代産業科学館

「ニッケコルトンプラザ」や「市川市中央図書館」など、幾つもの大規模施設が集まるエリアの一角を占めている「千葉県立現代産業科学館」は、その名の通り、千葉県の近代~現代の産業について知ることができる県立博物館だ。休日ともなれば多くの親子連れが訪れる人気の施設となっている。広々とした博物館の敷地は、もともとニッケ(日本毛織)の中山工場があった場所の一部。かつて市川の一大産業だった毛織物工場の跡地が、千葉県の先端技術・科学・産業を紹介する場所に姿を変えて、今も息づいているというわけだ。

千葉県立現代産業科学館
千葉県立現代産業科学館

館のエントランスを入ると、まず目につくのが巨大な巻き貝を横に転がしたような塊。これは千葉市内にある、「東京電力千葉火力発電所」でかつて使われていたタービンで、国内でも屈指の大きさを誇るものとのこと。あまりにも重いため、博物館を設置する際に、骨組みを組むより先に運び入れたそうだ。入場してまず最初に目に入る場所にあり、来場者を驚かせてくれる。

巨大なタービン
巨大なタービン

さらに館内を進むと、最初に入るのが「創造の広場」エリア。こちらは体験をしながら科学の仕組みを学べるコーナーで、水を噴き出して前へ進む「ウォーターロケット」、遠くに離れていても相手の声がよく聞こえる「スピーキングパラボラ」、大きなシャボン玉を作れる「ガリバーのシャボン玉」、風でボールを浮かせる「風にゆれるボール」など、子どもの心をぎゅっと捉える装置が並んでいる。休日には家族連れが、平日には幼稚園や小学生の団体客が多く訪れ、最も賑わうエリアとなっている。

創造の広場
創造の広場

奥に進むとちょっと灯りが落とされたエリアに変わるが、こちらは「先端技術への招待」という、さらに一歩踏み込んだ科学を知るためのエリア。県内の企業や研究機関が取り組んでいる最新技術の紹介や、エレクトロニクス、バイオテクノロジー、新素材など最先端の技術に関する展示が行われている。

このエリアの一番の目玉は、「実験シアター」と「実験カウンター」という、2か所の実験ブースを使った科学実験。1日に数回の実験が行われており、一番人気の実験は、超低温の液体窒素を使って葉っぱを粉々に砕いたり、超電導の作用で小さなコマを浮かせたりする実験。ほかにも参加型の実験が数多く行われているので、科学に興味を持ち始めた子どもたちにとって、“本物の実験”に出会える貴重な場所となっている。

科学実験をまじかで見られる
科学実験をまじかで見られる

階段から2階に上がると、そこに広がっているのは「現代産業の歴史」の展示コーナー。千葉県の基幹産業は「電力産業」「石油産業」「鉄鋼産業」ということで、その3つの分野について、それぞれの歴史を紹介している。

現代産業の歴史
現代産業の歴史

こうして館内を回っていると、時折館内放送が流れ、間もなく行われる実験について案内される。数ある実験・実演の中でも、博物館で一番の名物実験となっているのは、1日に4~5回ほど開催されている「放電実験」だ。
博物館の放電実験というと、小規模なものを思い浮かべるかもしれないが、ここの放電は本格的。実験室に入ると、アナウンスののちに真っ暗になり、強烈な音とともに電気が走る。実演される放電の種類は「アーク放電」「沿面放電」「雷放電」の3種類。特に雷放電は約100万ボルトの電圧をかけているそうで、貴重な体験ができるだろう。実験は落雷と同じで音が大きいので、小学生以上にお薦めだ。

放電実験
放電実験

また、夏休み期間中に行われるプラネタリウムも、毎年恒例の人気企画。直径23メートルのドームスクリーンに映し出される星の世界が、毎年多くの来館者を魅了している。夏休みに博物館に行くならば是非見ておきたい。期間については毎年変わるので、ホームページ等を確認するのが良いだろう。

このほか、週末や連休を中心にさまざまな企画も行われており、「ふうせんスライムをつくろう」「化石のレプリカをつくろう」「ミニライトをつくろう」「電気ブランコをつくろう」「打ち上げグライダーをつくろう」といった工作系のほか、電気自動車の試乗会や、地元企業や研究機関が参加する「いちかわ産フェスタ」や、企業の最新各種を展示する機会も多い。時には館内でコンサートなども行っているそうで、「訪れるたびに何かしらの楽しい企画をやっている」という印象だ。色々な楽しみ方ができる科学館なので、年間パスポートを買って、繰り返し訪れる人も多いという。

工作教室
工作教室

なお、駅から徒歩15分と少し離れた場所にあるが、バス便は「本八幡」駅北口から無料のコルトンプラザ行きバスが運行されており、買い物と合わせて訪れる際には大変便利である。自家用車の場合も90分無料の専用駐車場があり、満車の場合にも、すぐ隣にコルトンプラザあるので安心だ。

さっと見て回るだけなら30分でも回れるが、全種類の実験を見て、展示もじっくり見るならば、2~3時間はたっぷり取っておきたいところ。親子一緒で過ごす楽しい休日に、好奇心をくすぐる刺激を添えてくれる「千葉県立現代産業科学館」は、多くの子どもたちに、科学技術に興味をもつきっかけを与えてくれるはずだ。

千葉県立現代産業科学館
所在地:千葉県市川市鬼高1-1-3 
電話番号:047-379-2000
開館時間:9:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
http://www.chiba-muse.or.jp/SCIENCE/

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