アーカイブ―柏の葉小学校SPECIAL INTERVIEW!

第5回:「柏の葉小学校」の1年を振り返る(2013/06取材)

柏の葉小学校SPECIAL INTERVIEW!
柏市立柏の葉小学校
校長 佐藤進先生

柏の葉キャンパスエリアの人口増加に対応し、2012(平成24)年の4月に開校した「柏市立柏の葉小学校」。近代的な校舎が注目の的となっている学校で、本サイトでも開校から2ヵ月の時点で一度校長先生にインタビューを試みている。前回のインタビューから1年後の2013(平成25)年6月、改めて校長を務める佐藤進先生にお会いし、この1年間の学校の様子についてお話をうかがった。

ー相変わらずとても美しく明るい校舎で、のびのびと子ども達が勉強している様子に感動しました。開校初年度を終えられ、2年度目に入りましたが、この1年を振り返られて、どのような出来事が印象的だったでしょうか。

佐藤先生:昨年取材していただいた時は本当に手探りの状態でしたが、あれから「学級代表者会議」というものを組織しまして、「安全見守りチーム」、「PTAの組織の検討」、「校歌の制定とそのお披露目会」を担当する3つの保護者チームを作って、それぞれに仕事を進めてきました。これは各クラスから立候補いただいて構成したものですが、当時はPTAがありませんでしたので、そのかわりに学級代表者の会を作って、3つに分けたというわけですね。

まず「安全見守り隊」については、登下校時、あるいは帰ってから、「どういう風に交通事故から守るか」ということを話し合いまして、登校と下校の見守りをしてくれるようになりました。ただ、グループのメンバーだけではなかなか見守れないので、保護者の方に輪番制でお願いをして行っていたのですが、そういう順番を作ったり、意見を集約して、より良い形にしようということなど、中心となる役割をメンバーがやってくれたんですね。

「PTAの組織」に関しては、メンバーが他校などいろいろなところの会則などを調べながら、どういうPTAを目指したら良いか検討しまして、昨年の10月に、仮のPTAと言って良いものができたんですね。PTAの設立は一応今年の4月になっていますが、昨年10月から出来ていたと言って良いと思います。

「校歌の制定」については、作っていただくにあたって、地元にゆかりのある方にお願いしたいということがありまして、調べましたら、「爆風スランプ」のパッパラー河合さんが柏の出身ということなんですね。PTAの方に河合さんのお知り合いのお知り合いという方がおられましたので、そちらから声を掛けていただき、去年の授業参観の日に河合さんに来校していただきまして、制作をお受けいただくことになりました。

制作にあたっては、河合さんに作詞・作曲という形で関わっていただきましたので、保護者と子ども達からは「校歌にこんな言葉を入れてほしい」などと募集をしまして、これも委員の方にまとめていただき、河合さんにお渡ししました。河合さんも来校された際、この学校を見てびっくりされ、保護者の方とも意気投合されまして、たいへんいい感じでお会いすることができましたので、昨年の9月にはもう校歌が完成したんです。

完成後は、全校児童に校歌を教えないとけませんから、5・6年生を中心にした有志で河合さんのスタジオまで出かけまして、子どもたちの声でレコーディングをしてCDを作り、それを使って各学級で歌の指導をしまして、昨年の11月、「柏の葉ハーモニーフェスティバル」で校歌のお披露目を行いました。この際には地元の新聞などにもたくさん掲載していただきました。

ーまさに保護者の方々の尽力があって、開校1年目を終えられたんですね。

佐藤先生:そうですね。保護者の方々には、それ以外にもいろんな形でサポーターとして入っていただいています。ひとつは、「環境サポーター」として、除草作業とか、環境の美化、トイレ掃除、ガラス磨きなどで支援していただいていますし、「読み聞かせボランティア」や、「学習ボランティア」などでも参加していただいています。読み聞かせなどは他校でもやっているとは思いますが、「学習ボランティア」では本校独自の「プラスタイム」や、朝の学習時間などに来ていただいていまして、漢字や計算の丸付けの補助などをお願いしています。また、保護者以外の地域の方にもサポーターに入っていただくようになっています。

おっしゃるように、本当に保護者と皆さんと一緒に学校を作ってきた1年だったと思います。そして保護者だけではなく、子ども達も主役になって、学校を育ててくれた1年でもありました。初めて卒業していった子たちも、「自分たちが柏の葉小を育てていくんだ」という気持ちをもってやってくれていましたね。

ー保護者から地域の方々へと、繋がりが広がってきたのですね。

佐藤先生:はい。地域の方とは、学校全体としては、「ふるさと協議会」などの組織を通して地域の行事に参加したりするようになりまして、一例としては、昨年は柏田中地区の「ふるさと協議会」が主催する運動会に、学校として参加しました。そのほかにも、「柏の葉アーバンデザインセンター」(UDCK)が主催した「ピノキオプロジェクト」では、本校の児童たちが給食のメニューを考えて、そのメニューを地域のレストランでも作って、出していただくということもありました。この時は「オークビレッジ柏の葉」さん、保護者でもある野菜ソムリエさんと、本校の給食委員会が中心となって、「柏の葉ごはん」というものを作ったんですね。

ー地域の方の協力で、特別活動、校外活動についても充実してきているということですが。

佐藤先生:クラブ活動については、子ども達の希望を優先しながら増やしておりまして、去年は料理クラブに地域の方からけっこう応援がありましたし、今年は生け花、茶道、ショートテニスなどのクラブも始まりまして、地域の力を借りながら、今後も増やしていく予定です。

去年は職業体験の機会をもたせる「キャリア教育」についてお話ししたかと思いますが、これについては、昨年の11月に、6年生が市内の4ヵ所の職場に行きまして、いろいろと学習させていただきました。

駅員になりたいという子には、東武野田線の「流山おおたかの森」駅の駅員さんの仕事を見学させてもらいましたし、「医者になりたい」という子もいましたので、この時は地元の整形外科に協力をお願いしました。ペット関係の仕事では「ららぽーと柏の葉」のペットショップさんに、サービス業ということでは、「オークビレッジ柏の葉」さんにもお願いしました。ここではそれぞれ、半日間の職業体験をしてきましたが、帰ってきてからはそれぞれ感想を言い合っていましたし、満足してくれていたようですね。

千葉県全体としても、小学生の職業体験には力を入れているところですので、今後も体験の協力先を増やしていけるよう、地域とのパイプを広げていきたいと思っています。

今回、話を聞いた人

柏市立柏の葉小学校

校長 佐藤進 先生

柏市立柏の葉小学校
所在地:千葉県柏市十余二348-51
    中央404街区1
電話番号:04-7134-3987

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