スペシャルインタビュー

中学校と空中通路でつながり、効果的な教育を推進する「柏市立柏の葉小学校」

つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅から徒歩約15分の場所にある「柏市立柏の葉小学校」。2019(令和元)年で開校8年目を迎える当校については、数年にわたって取材を重ねてその変遷を追ってきた(過去の記事はこちら:https://chiba.itot.jp/kashiwanoha/archive)。

近年、隣接する「柏市立柏の葉中学校」と空中通路で校舎がつながるなど、新しい取り組みもみせる同校。今回、2019(令和元)年4月に着任された校長の髙橋英和先生に、改めて小学校の概要や特徴、柏の葉エリアの魅力などをうかがった。

髙橋英和先生
髙橋英和先生

小中一体型の校舎で交流と連携が加速

外観
外観

―2019(令和元)年現在の「柏の葉小学校」の概要を教えてください。2016(平成28)年に取材させていただいた際は全校児童627名とのことでしたが、その後変動はありましたか?

髙橋校長:今年で開校8年目となり、昨年には隣に「柏市立柏の葉中学校」が開校し、名実ともに小中連携体制が整いました。児童は前回からぴったり300名増え、2019(令和元)年現在は927名います。年間100人ずつ増えている計算ですね。10年後くらいには1,500~1,600人まで増える見通しです。しかし、児童数の増加にはしっかり対応しているので、受け入れについての心配は当面ありません。今後、校舎を増築することになっており、2020(令和2)年度には着工予定です。新校舎には、普通教室、音楽室等の特別教室、給食室などを作ります。教職員は非常勤講師なども含め65名弱おります。

中庭に面した階段
中庭に面した階段

―進学先である「柏の葉中学校」が隣接しているメリットはどのような点にあるのでしょうか?

髙橋校長:一般的には、2~3つの小学校から一つの中学校に上がる場合が多いですが、「柏の葉中学校」に進むのは基本的に本校の児童だけです。そのため小学校から中学校にかけて、環境が大きく変化することなく、スムーズな接続が可能と言えます。両校の教育目標も連携を留意したものとなっています。本校の教育目標は「生きる力を育み、夢の実現に向けて未来を拓く子を育成する」。中学校は「生きる力を育み、夢の実現に向けて、自ら考え、行動する生徒を育成する」で、小学校の目標に主体性が加わってものになっています。今年度からは中学校の目標をより意識して、本校では「自主・自立」をキーワードに指導しています。

中学校へとつながる空中通路
中学校へとつながる空中通路

―小中一体型の校舎で、「柏の葉中学校」とは空中通路でつながっていますね。やはり他校に比べて交流は盛んですか?

髙橋校長:そうですね。施設の共用が多いので、自然な交流ができていると思います。例えば、6年生は中学校の校舎にある教室を使っています。来年度からは、5年生の教室も中学校に設ける予定です。教室にはちゃんと小学校の放送を流せるんですよ。卓球などのクラブや、本校を拠点にしている地域の「まちのサッカークラブ」は、よく中学校の設備を使って活動しています。また、中学生は小学校の室内プールを利用しています。先日は中学2年生の生徒たちが本校に来て、小学校4年生の児童たちに本の読み聞かせをしてくれました。

図書室
図書室

―「柏の葉中学校」と連携して進めている取り組みなどあれば、教えてください。

髙橋校長:教員同士の授業見学を積極的に行っています。子ども達の9年間の学びを一貫したものとするために、児童生徒の実態や学習内容を互いに知ることで、より子どもたちの意欲や興味を引き出す授業にできますから。また、先日は本校の養護教諭に中学2年生の保健体育を見学してきてもらいました。中学の授業内容や生徒の様子を知ることで、小学校では性教育をどこまでやるべきかなど参考になった点があると思います。通路でつながっているだけでなく、両校の校長と教頭がスムーズに連絡を取り合える環境も大きいでしょう。私たちの電話は外線ではなく子機でつながっていて、「今日はこんな授業があるからぜひ来てください」など、気軽に連絡を取り合っているんです。

他教科と連携して、効果的な授業に取り組む

English Room
English Room

―現在、特に力を入れている活動を挙げるとしたら、何でしょうか?

髙橋校長:本校は柏市の研究指定を受けていて、創立以来8年間英語教育を推進しています。来年度から学習指導要領が新しくなって英語が教科になるため、特に注力しているところです。ポイントは、いかに学びへの意欲を喚起できるか。英語の必要性を感じさせるため、他教科との連携が大事だと考えています。例えば、社会の授業で日本について学び、その後の英語の授業が実際に外国人に日本を紹介する内容だったら、子どもたちは英語を学ぶ意味を感じられるはずです。そういった点を考慮して効果的な学びにしていきたいですね。年に3回国際交流会を行って、教員も熱心に勉強しています。

広い教室
広い教室

―4月に着任されてから変えたこと、新しく始めたことなどはありますか?

髙橋校長:今年度から通知表だけ4~10月、11~3月の2期制にして、夏休みの宿題をなくしました。通知表は、成績を確認するスパンが短すぎると感じて変えました。宿題をなくしたのは、夏休みを苦手分野の克服や得意分野を伸ばすことに充ててほしかったためです。読書感想文を書いてもいいですし、絵を描いてコンクールに出品してもいい。やるべきことを自分で考え、主体的に取り組ませたいと思って決断しました。意図を説明したところ、保護者の方からも賛同の声をいただけました。

通勤や買い物に便利で、自然も身近な柏の葉キャンパスエリア

観覧席のある体育館
観覧席のある体育館

―今後新しく取り組みたい活動などあれば、ご紹介ください。

髙橋校長:中学校とともにコミュニティ・スクールのモデル校として柏市の指定を受けたので、地域の皆さんと協力し合って、子どもたちのためになる学校作りを進めていきたいと思っています。様々なノウハウを持った方々に学校の運営に携わっていただき、地域とともにある学校づくりをめざしてまいります。

多目的スペース
多目的スペース

昇降口
昇降口

髙橋校長:買い物施設などが駅前に揃っていて便利ですし、少し足をのばせば利根川や江戸川も流れていて自然も程よく身近にあるので、子育てには良い環境だと思います。都内へのアクセスもよく、多くの保護者の方が通勤されています。私のおすすめは「さわやかちば県民プラザ」。コンサートや展覧会、科学教室などいろいろなイベントをやっていて、大人も子どもも楽しめます。それから「県立柏の葉公園」は、広い敷地内にスポーツ施設や遊具がたくさんあって、この辺に住む子どもたちの人気スポットです。

今回、話を聞いた人

髙橋英和先生
髙橋英和先生

柏の葉小学校
校長 髙橋英和先生

所在地:千葉県柏市十余二 348-51中央404街区1
電話番号:04-7134-3987
URL:http://www.kashiwaha-e.kashiwa.ed.jp/

※この情報は2019(令和元)年10月実施の取材にもとづいた内容です。記載している情報については、今後変わる場合がございます。

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