スペシャルインタビュー

健康な暮らしをサポートする新サービス「スマートライフパス柏の葉」とは?

2020年11月26日より運営が開始された「スマートライフパス柏の葉」。誰でも登録ができ、柏の葉の住民(「柏の葉キャンパス」駅から半径2km圏内に居住する方)であれば特定の特典が受けられ、利用者に最適な健康アドバイスや生活習慣病予防などの新サービスを利用することができるポータルサイト。このサイトで登録したパーソナルデータはプラットフォームサービス「Dot to Dot」によって、今後、新しいさまざまなサービスを受けることができるようになる。

今回、「スマートライフパス柏の葉」と「Dot to Dot」の開発に携わった三井不動産株式会社 柏の葉街づくり推進部の竹川励さん、黒川悟史さんに、どのような暮らし方が可能になるのかお話を伺った。

「スマートライフパス柏の葉」、「Dot to Dot」とは?

ーー「スマートライフパス柏の葉」や「Dot to Dot」について教えてください。

竹川さん:「スマートライフパス柏の葉」は柏の葉エリアでの暮らしをより便利にするためのポータルサイトです。サイトにアクセスしていただき、会員登録するとヘルスケアを中心とした各種サービスを使うことができるようになります。また、「Dot to Dot」とはパーソナルデータを本人の意思・同意に基づいて安心安全に流通させるプラットフォームです。「Dot to Dot」を介して、利用者は個人データ、医療データ、運動データなどを活用した、利用者に最適化した健康の提案などのサービスが受けられます。

↓現在、利用できる提携サービスはこちら↓

カロママプラス(リンクアンドコミュニケーション)
毎日の食事・運動・睡眠に対してアドバイスが届くAI健康アプリ。AI管理栄養士から個人の目的に合わせた健康アドバイスをもらうことができる。

Medical Note/Medical Note医療相談(メディカルノート)
「Medical Note」は、医療従事者が監修した病気や症状に関する情報を閲覧できるメディアです。 「Medical Note医療相談」は、オンライン上で専門医を中心とした医療従事者に相談ができるサービスです。(厚生労働省が公開する「オンライン診療の適切な実施に関する指針」における遠隔健康医療相談の範囲で実施します。)

dヘルスケア(NTTドコモ)
毎日の歩数や体重記録がdポイントになるヘルスケアアプリです。歩数・体重に加え、血圧・脈拍もグラフで簡単に管理ができます。

利用者の生活が豊かになること、利便性が高められること、幸福感を得ることを目指して進められてきたプロジェクト

ーー「Dot to Dot」について詳しく教えてください。

黒川さん:「Dot to Dot」は、三井不動産株式会社、日本ユニシス株式会社が共同開発し、運用は一般社団法人UDCKタウンマネジメントと日本ユニシスが行っています。「Dot to Dot」では個人利用者にデータ提供を同意してもらう機能と、データを企業間連携する機能を持ち合わせ、サービス提供者間でデータを活用することにより、個人利用者の豊かな暮らしを広げることができます。

例えば、健康情報や医療情報の提携サービスに対して個人利用者がデータ連携に同意すると、将来の生活習慣病のリスクに基づいた栄養管理アドバイスを受けることができるようになります。データの連携は個人利用者が価値を感じたサービスに同意した場合に限ります。 また、「Dot to Dot」内の流通データは、個人への活用にとどまらず、研究開発の促進やまちの利便性、安全性の向上につなげていきます。

ーーこれらのサービスの開発を始めたきっかけを教えてください。

竹川さん:日本ではこれまで、個人情報を含むさまざまなデータは特定の企業内での利用や特定の企業間だけの連携だけに止まっており、データ利活用の範囲は限定されています。そこで、業種・業界を越えたデータ連携を可能にする「Dot to Dot」を開発することにしました。「Dot to Dot」によって、経済活動、研究開発活動の活性化を図り、生活者のより豊かな生活の発展に貢献することを目標としてプロジェクトを立ち上げました。

ーー公・民・学連携で推進している「柏の葉スマートシティ」の実現にもつながりますね。

竹川さん:「スマートライフパス柏の葉」と「Dot to Dot」の開発が含まれている「柏の葉スマートシティ実行計画」は、令和元年度に国土交通省による「スマートシティ先行モデルプロジェクト」に選定されています。柏の葉エリアには大学、医療機関、研究施設などの学術関係の施設が立地し、公・民・学での課題解決に向けたソリューションの開発には適した立地であるといえます。企業、大学、研究・学術機関、行政が「Dot to Dot」を活用した取り組みに共感してくださっています。

ーーサービスを開始するまでにどのような課題や難しい部分がありましたか?

黒川さん:個人同意の取得のためのシステム仕様の構築に難しさを感じました。個人情報を流通させるシステムのため、高レベルなセキュリティが要求されます。システム本体やネットワークといったあらゆる領域で、予期しないエラーや障害が起きないように、災害などでハードウェアが破損しないように実現させる部分で苦労しました。 また、企業間データ連携を行う際に、どのような機能があると嬉しいのか、既存のデータ連携ツールと差別化できるのかという点を見出し、システムに組み込んでいくところにも苦労がありました。

竹川さん:「スマートライフパス柏の葉」のポータルサイト作りにも苦労しましたね。どのようにしたら使い心地の良いサイトになるのか考えましたが、これからも継続的な改善をしていきます。 「Dot to Dot」は今までにないコンセプトのプラットフォームのため、最初は手探り状態でした。一緒に開発をした日本ユニシスの担当者さんが強い熱意で取り組んでくださったこともあり、仕上がったものだと考えています。

暮らしを豊かにするために、さらに広がる可能性

ーー「Dot to Dot」は今後、どのような展開を予定されていますでしょうか。

黒川さん:個人利用者の健康に寄与するサービスの提供に取り組みながら、公共空間に人流データを取得するセンサーやAIカメラを設置し、非個人データを「Dot to Dot」に取り込んでサービスに活用することです。例えば、AIカメラで取得した人流データを大学や研究機関に連携し、街づくりに活かしていくことを考えています。

さらには、街の利便性向上や魅力的な街づくりのために、街の混雑状況の発信やイベント企画なども考えています。

ーー柏の葉エリアに暮らす方々に「スマートライフパス柏の葉」をどのように利用していただきたいと思われますか。

竹川さん:まずはウェルネス(健康増進)の分野を進化させていきたいと思います。現在、利用可能な「カロママプラス」を使っていただくと分かりますが、食事の写真を撮るだけでAIがカロリーや栄養素を自動判定し、AI管理栄養士がアドバイスをしてくれるという機能があります。新しいサービス体験に楽しさを感じてくださり、「楽しく毎日入力している」という声もあります。

利用方法についてわからないことがあれば、「柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)」に2名のコンシェルジュが常駐しているので、スマホの基本的な使い方からサービスの操作方法など「スマートライフパス柏の葉」に関することであれば、どんなことでも教えてもらうことができます。

柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)
柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)

ーーエリアでの暮らしの魅力がどのように向上していくと予想されていますか。エリアに対する想いや今後の展望についてお聞かせください。

竹川さん:今は予防や健康維持の分野のみのサービスですが、今後サービスの分野を拡大させていただきたいと思います。ありがたいことに、多くの学術機関やベンチャー企業、業界を代表する大手企業まで、「Dot to Dot」上でのサービス開発に取り組んでいただいております。これら多くの事業者が、その事業社間の壁を取り払った共同でのサービス開発が次々と実現しつつあります。先端技術を活用したデジタルサービスの価値を最大化することで、柏の葉の皆様の生活をより便利に、より豊かにすることができると信じております。

今回、話を聞いた人

三井不動産株式会社 柏の葉街づくり推進部
事業グループ 竹川励さん、黒川悟史さん

URL:https://www.kashiwanoha-smartcity.com//

※この情報は2021(令和3)年1月時点のものです。

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