スペシャルインタビュー

コロナ禍に生まれた恩返しの青空市場 「FULL-SATOマーケット」

「柏の葉キャンパス」駅からすぐ。三井ガーデンホテル前の「柏の葉 ゲートスクエアプラザ」では、千葉の飲食店と生産者が出店するマーケットが定期的に開かれている。主催するのは、柏市と流山市で3つの飲食店を展開する「株式会社GENOWORTH(ジェノワース)」だ。別イベントと連携して開催された2021(令和3)年3月20日、同社の吉中佑馬さんに、「FULL-SATOマーケット」と柏の葉キャンパスエリアについて話を聞いた。

「FULL-SATOマーケット」を主催する株式会社GENOWORTHの吉中佑馬さん
「FULL-SATOマーケット」を主催する株式会社GENOWORTHの吉中佑馬さん

千葉の食材を扱う飲食店と生産者が集う

――「FULL-SATOマーケット」について教えてください。

吉中さん:“地産地消”をもじった“千産千消”をコンセプトに、千葉で採れた食材を積極的に消費するために展開している青空市場です。ふるさとの魅力をフル(FULL)に楽しんでほしいという気持ちを込め「FULL-SATOマーケット」と名付けました。千葉の食材を扱う飲食店と生産者が出店しています。去年の10月から始めて、今日で59回目になります。当初は土日・祝日だけの予定でしたが、現在は毎週火・木・土・日の11時~16時に開いています。柏の葉の街づくりでもひとつの指標になっている「歩いて楽しい街づくり」を目指す、ちょっと贅沢な都市型マーケットです。

焼き栗を販売する「ワンドマーケット」
焼き栗を販売する「ワンドマーケット」

――どういった経緯で始められたのですか。

吉中さん:新型コロナウィルスの流行で、多くの事業者がマイナスの影響を受けましたよね。私たち飲食事業者も売上が激減しました。そんなとき地元の方から「頑張って」「応援しているよ」「コロナが終わったら食べに来るからね」といった温かい言葉をたくさんいただいたんです。それが本当にうれしくて、街を盛り上げて地元に恩返ししたいという想いが芽生えました。

といっても最初は自分たちに何ができるか分からず、学校給食の休止で突然卸し先を失った東金市の農家さんの玉ねぎを買い取って、自分たちが運営するレストランの店頭で売るところから始めました。最初の緊急事態宣言が出た4~5月頃で、新玉ねぎが出回る時季だったこともあり、1回目は50kg、2回目は100kgを売り切りました。そんな具合に手探りで活動する中、キッチンカーでの販売を生業にしている人たちが、出店場所がなくなって困っていることを知ったんです。そこでUDCKに場所探しを相談し、マーケットを立ち上げることになりました。

ホットドッグを販売する「PALM TERACE」
ホットドッグを販売する「PALM TERACE」

――「FULL-SATOマーケット」には、どのような方々がどれくらい出店しているのでしょうか。

吉中さん:キッチンカーを含む飲食店と生産者さんを合わせて10店程度で、現在は密にならないよう参加店舗を増やさないようにしているんです。それでも、全国的にも人気の純生食パンのお店や花屋さん、ラーメン屋さんなどバラエティに富んでいますよ。

お昼時には、多くの家族連れが訪れた
お昼時には、多くの家族連れが訪れた

知名度や価格に関係なく、おいしいものがよく売れる

――半年間運営されてきた中で、印象に残っている生産者さんや飲食店さんはありますか。

吉中さん:半年前に上京されて、キッチンカーで札幌ラーメンを販売している石川さんですね。ラーメンで千葉と北海道をつなぐという信念でラーメン作りをされている方です。知られていないので最初はお客さんも少なかったんですが、ずっと継続して出店されて、地道に販売しているうちに徐々にリピーターが増えてきたんです。熱意って本気で伝え続ければ通じるものだと感じ、このマーケットを主催して良かったと思いましたね。

リピーターの多い札幌ラーメン店「オフィス石川」
リピーターの多い札幌ラーメン店「オフィス石川」

――「FULL-SATOマーケット」の強み、魅力は何だとお考えですか。

吉中さん:数時間で鮮度が落ちてしまうホワイトとうもろこしなど、スーパーには置けないものを販売できるのが強みかなと思います。それから、このマーケットをやってみて確信したのは、柏の葉には舌の肥えた人が多いということ。知名度や価格に関係なく、おいしいものがよく売れるんです。頑張って良いものを作っている生産者さんや飲食店にとっては嬉しいことですし、適正な値段で販売できるので、その点も大きな魅力です。来場されるお客さんにとっては、良い商品やお店を開拓する良い機会になっているでしょう。マーケットは対面販売なので、顔見知りになりやすいのも良いと思います。

「柏の葉キャンパス」駅方面から来る人々
「柏の葉キャンパス」駅方面から来る人々

――今後の展望についてお聞かせください。

吉中さん:緊急事態宣言が解除される見通しなので、4月からは土日開催に戻す予定ですが、これからも精力的に続けていくつもりです。これまで、寄付で集めた本を無料配布する「Book Swap Japan(ブック スワップ ジャパン)」や保育施設「チコル」さんなどに出店していただいたことで、会場が大いに盛り上がりました。今後もこういったイベントを月1回くらい行って、より多くの人に楽しんでもらえたらと考えています。このマーケットを起点に、飲食事業者、生産者、消費者の3者で柏の葉を盛り上げていきたいです。

静かで暮らしやすく、人が素晴らしい柏の葉キャンパス

――柏の葉エリアの魅力やおすすめスポットを教えてください。

吉中さん:一番素晴らしいと思うのは人です。この街に住む人たち。マーケットを始めて特に感じることなんですが、みなさん新しい試みも快く受け入れてくださって、非常に協力的なんです。人が集まるとどうしても賑やかになるし、文句を言われることも覚悟していたんですが、クレームなども全然なくて。本当にありがたいと思っています。あとは、道幅が広く、街全体が整備されていて、静かで住みやすいところですね。おすすめスポットは「柏の葉 T-SITE」。周辺は自然が豊かで犬を散歩させるのにもいいし、気に入っています。

――最後に、柏の葉エリアに暮らす人々へ向けてメッセージをお願いします。

吉中さん:ぜひ一度マーケットに足を運んで、いろいろ見て回ってください。きっと楽しんでいただけると思います。

「KOIL TERRACE」前で連携開催された「Aqua Terrace MARKET!」の様子
「KOIL TERRACE」前で連携開催された「Aqua Terrace MARKET!」の様子

今回、話を聞いた人

株式会社GENOWORTH(ジェノワース)
吉中佑馬さん

URL:https://www.instagram.com/full_sato.market/

※この情報は2021(令和3)年3月時点のものです。

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