スペシャルインタビュー

店内調理と国産食材にこだわる 素朴さと季節感が魅力の家庭料理「ふく嶋」

店主の嶋廻悦子さん
店主の嶋廻悦子さん

「柏の葉キャンパス駅」から徒歩約5分。ららぽーと柏の葉北館の裏手に、おいしくてヘルシーな料理を気軽に食べられると評判の店がある。2018(平成30)年9月にオープンした家庭料理の店「ふく嶋」だ。店主の嶋廻悦子さんにお話を伺い、地元に根差した飲食店ならではのこだわりや常連客とのエピソード、柏の葉エリアのおすすめスポットについて語っていただいた。

食べる人のことを考えて丁寧に作る家庭料理

――「ふく嶋」開業のきっかけと経緯を教えてください。

嶋廻さん:これまで44年、社員食堂、学校給食、障害者施設、保育園給食など調理一筋でやってきました。中でも24年間担当した障害者施設では、とろみをつける、ミキサーにかける、など一人一人に合わせた調理を担当し、大きなやりがいを感じていました。その後、異動で保育園勤務になると特に創意工夫をしなくても食べられる子どもばかりで、培ってきた技術や知識を活かす事が出来なくなり仕事に対するモチベーションが激減してしまいました。定年まであと3年だったのですが、高校生の頃から漠然と思い描いていた夢を叶えるのは今だと思い退職を決め開業しました。

小料理屋を思わせる和風の看板が目印
小料理屋を思わせる和風の看板が目印

――なぜこの場所に開業されたのですか。

嶋廻さん:退職してすぐに北柏駅の近くで1年程夜だけ営業するお店をやっていました。昼間修行を兼ねてアルバイトをしていたお寿司屋さんの雇い主が隣の和食店「輪くら」のオーナーさんで、「店をやるなら柏の葉キャンパスの方が良い」とアドバイスをいただき「良い物件があったら紹介する」と言われてました。その頃にちょうどこの場所が空いて、オーナーが不動産会社に紹介してくれたんです。それでこの場所になりました。私の生まれ故郷である福島に、自分の苗字の一字をかけ合わせて店名にしました。

4種類から選べる主菜1品に副菜2~4品が付くランチ
4種類から選べる主菜1品に副菜2~4品が付くランチ

――飲食店にはいろいろなジャンルがありますが、どうして家庭料理のお店にされたのでしょうか。

嶋廻さん:長年調理の仕事をやってきましたが、レストランで修行したり、シェフの下で働いたりした経験はありません。自分が今までずっと作ってきたのは、家庭料理なんです。主婦として家庭で作ってきたものはもちろん、職場で作ってきたものも、食べる人の健康を考えた、季節感のあるお惣菜。特別凝ったものではなく、言ってしまえば誰でも作れるものばかりです。ただ、出汁を削り節できちんととっているし、やっぱり下ごしらえなどちょっとしたことに経験が出るので、仕上がりは違います。素朴だけどおいしいお料理を食べてもらいたいと思って、家庭料理のお店にしました。

作り手が見えれば、お客さんも安心して食べられる

――店内調理と国産食材にこだわる理由についてお聞かせください。

嶋廻さん:お店とお客さん、作る人と食べる人をつなぐのは信頼関係だと思うんです。どんな人がどんなふうに作っているか分かれば安心して食べられると思うので、店内調理にこだわっています。おいしくて体に良いもの、季節を感じられるものを出したいので、鮮度や安全性などを考えて国産の食材を使っています。特にお野菜は旬のものは栄養価も高く、価格も安いので意識して使用しています。外食は野菜不足になりがちなのでとにかく野菜をたっぷり食べてもらいたいと思っています。

清潔感あふれる店内には全12席が用意されている
清潔感あふれる店内には全12席が用意されている

――他にもこだわっている点があれば教えていただけますか。

嶋廻さん:そうですね。食事からも季節を感じてほしいので、食材の旬も大事にしています。毎日市場に買い出しに行って、その時季ならではの食材を仕入れています。あと、主菜と副菜の組み合わせ。副菜として出せるお惣菜を常に8種類くらい用意していて、主菜が揚げ物だったら副菜にはさっぱりした酢の物を付けるとか、全体のバランスを考えています。

菜の花、新ニンジン、柏市の特産品「ねいも」など季節感あふれるお惣菜
菜の花、新ニンジン、柏市の特産品「ねいも」など季節感あふれるお惣菜

――離乳食など子ども用のメニューにも対応されていると聞きました。

嶋廻さん:最近はほとんどお一人様ですが、元々はファミリー層が多かったんです。だからお子様用の食事や椅子も用意してあります。要望があれば、離乳食やアレルギー食にも対応しますし、お食い初めのお膳もご利用して頂いたお客様には好評でした。

お食い初めのお膳
お食い初めのお膳

定番の切り干し大根、マカロニサラダ、根菜の白和え
定番の切り干し大根、マカロニサラダ、根菜の白和え

――ツイッターを拝見して、「〇〇を仕入れました」「今日から新米です」など、季節を感じる投稿が魅力的だと感じました。こういった情報をもとに来店されるお客様もいらっしゃるのでしょうか?

嶋廻さん:インターネットを使った情報発信は、お客さんのすすめで始めました。自分があまり使わないのでそういう発想はなかったのですが、今の人はよく利用されるんですね。最近も旬のタケノコを使った料理をツイッターで告知したら、夜に「タケノコ食べられる?」って駆け込んできた人がいて。だから、お客さんが必要とする情報を発信するようにしています。いまだに慣れなくて、よく写真を撮り忘れたりしていますが、写真のアップロードなどお客さんに助けてもらいながらやっています。

柏の葉キャンパスエリアで暮らす来店客との交流も楽しい

――柏の葉エリアの魅力やおすすめスポットについてお聞かせください。地元の飲食店として、街の変化を感じることはありますか。

嶋廻さん:私自身は、あまり変化を感じることはないですね。お客さんからは、もっとうちみたいな飲食店が増えてほしいという声を聞くこともあります。ショッピングモールの中にはフードコートやチェーン店があるけれど、もっと気軽に定食などを食べられる食事処が少ないと。おすすめスポットは「柏の葉公園」ですね。家族連れをはじめ、誰もが楽しめる場所だと思います。

明るく温かみのある店内
明るく温かみのある店内

――オープンして3年目を迎えますが、地元の方との交流などはありますか。

嶋廻さん:そうですね。以前お客さんから、つわりで思うように食べられないという相談を受けて、その後お腹にいた子が生まれると今度はお子さんの食事について話をしたりということがありました。通っていただくことで生まれるつながりを感じますね。「食育指導士」の資格を持っているので、お子さんが苦手なものを食べやすく調理する方法などを教えて差し上げられるのが嬉しいです。

煮物や酢の物など昔ながらの家庭的なお惣菜
煮物や酢の物など昔ながらの家庭的なお惣菜

――柏の葉エリアにこれからお住まいの方に向けて、メッセージをお願いします。

嶋廻さん:「ここでごはんを食べると元気が出る」「食べた後の満足感が違う」と言ってくださる人が多くて、毎日のように来られる方もいます。人の身体は食べたもので出来ているので、良いものを選んで食べ、強い身体を作っていただきたいです。引っ越して来たら、ぜひお立ち寄りください。夜は、定食以外にお酒のおつまみもたくさんご用意しています。うちで食べて、「自分で作ってみようかな」と思ってくれると嬉しいです。聞いてくださる方には、喜んでレシピをお教えしています。

感染症対策も万全を期してますので、安心してご来店いただきたいです。外食するのはまだ心配だと思う方には、お持ち帰り用の幕の内弁当もご用意していますのでご予約お待ちしています。

お持ち帰り用の幕の内弁当
お持ち帰り用の幕の内弁当

店主の嶋廻悦子さん
店主の嶋廻悦子さん

「ふく嶋」

店主 嶋廻悦子さん
所在地 :千葉県柏市若柴227-6 柏の葉キャンパス2番街D-102
電話番号:04-7128-5557
URL:https://twitter.com/huku4ma
※この情報は2021(令和3)年4月時点のものです。

https://twitter.com/huku4ma

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