港町木更津の地域資源を生かした「パークベイプロジェクト」 成功までの道のり
「木更津」駅周辺の中心市街地活性化のために立ち上げた「パークベイプロジェクト」。木更津は古くから港を中心に発展してきた商業都市で、駅から約700mの場所に港があるという立地。これを地域資源として利活用し、公民連携による公園づくりや整備を推進している。その第一弾となる「鳥居崎海浜公園」は、多くのテレビなどメディアで取り上げられ話題となっている。今回は木更津市企画部地域政策室で、話題の「パークベイプロジェクト」についてお話を伺った。
海の自然を利活用したプロジェクト
――現在取り組まれている「パークベイプロジェクト」を、発足するに至った経緯をお聞かせください。
鴇田さん:どこの市もそうなんですが、郊外部の開発により、商業機能等が郊外にシフトしており、駅周辺の中心市街地は相対的に活力が低下しています。木更津は港を中心に発展してきたという歴史があり、まずは木更津の地域資源である港を活かし、にぎわいや活力に満ちた「みなとまち木更津」を再生するため、パークベイプロジェクトを立ち上げ進めているところです。
――「パークベイプロジェクト」の全体概要をお聞かせください。
鴇田さん:木更津港の周りには都市公園がいくつかありますので、そういった臨海部の公共用地を活用して、新しいにぎわいの空間を作りたいなと。木更津港のまわりの都市公園など臨海部の公共用地を公募によって、民間の集客施設などを誘致しています。さらに新たなにぎわいの空間を作りだすとともに、港と「木更津」駅を結ぶ富士見通りの再整備を併せて進めています。
――プロジェクトの第一弾は鳥居崎海浜公園ですね。公園には飲食店や宿泊施設、噴水広場やテラスなどがあり、他ではみられない新しい公園という印象でした。これらの反響はいかがですか。
鴇田さん:「鳥居崎海浜公園」は、2019(令和元)年11月に公募で選ばれた大和リース株式会社が整備を進め、2022(令和4)年3月にリニューアルオープンしました。テレビで取り上げていただくこともあり、多くの人たちにご利用いただいています。
鴇田さん:ロケーションが良いということもあり、テラスからの眺めがよく、夜はライトアップします。「テラスもお洒落で眺めがよく、きれいになって明るくなった。」、「ロケーションがよく夜のライトアップがきれい。」、「子供たちが噴水広場の噴水で遊ぶのを気に入っている。」との感想が届いています。全体的には「公園が新しくなって全体的な雰囲気が明るくなり、賑やかになった。」といった声が多いです。
――民間事業者と一緒にやっていく初めての試みは、大変だったのではないですか。
鴇田さん:行政だけで完結するのではなく、民間事業者との連携がより重要になってきており、国においても、行政の財政負担を軽減しつつ、都市公園の質の向上を図るため、2017(平成29)年に都市公園法を改正し、Park-PFIという制度が新たに設けられました。その仕組みを活かす形で、鳥居崎海浜公園の整備を進めました。
駅から海までの道のりを再整備する明るい街づくり
――現在も進行中である「富士見通りの再整備」につきまして、現在のご進捗と、今後の展望や計画について、お聞かせください。
鴇田さん:富士見通りは、まず歩道の再整備を進めています。国も推進しているウォーカブルな歩道を目指し、バリアフリーや景観に配慮しつつ、歩道と自転車走行空間を分離し、快適な歩行空間を作りだすこととしております。今年度から施工に着手し、2025(令和7)年度の完成を目指しています。
それに伴い、現在無電柱化事業を行なっています。これは地震などの災害時に電柱が倒れ、緊急車両等の妨げとならないよう、安全で円滑な交通を確保するとともに、電柱や電線のない良好な景観形成を目指すものです。2021(令和3)年度より施工中であり、今年度、電柱の撤去をしたうえで完了予定です。
港一帯の回遊性を図るプロジェクト
――今後予定しているプロジェクトの内容と、本プロジェクトを通した木更津市への展望を改めてお聞かせください。
鴇田さん:次の計画地としましては、「吾妻公園」という都市公園の整備を予定しています。「吾妻公園」において、ホール、図書館、中央公民館を複合した文化芸術施設を含めた公園の整備と並行し、一部区間に民間事業者による収益施設の整備を目指しております。主な業種としては、カフェやドッグラン等を想定していますが、今後、対話型市場調査を実施し、詳細な検討を進め、2028(令和10)年度の供用開始を目指しています。
先行してオープンした「鳥居崎海浜公園」との連携や、みなと周辺地域の一体的な回遊性向上を図ることで、より一層のにぎわいを創出していきたいと考えています。
――近年コロナ禍を経て、オフィスワークやライフスタイルが変わってきて、都市部から郊外に移住される方も増えていると聞いています。木更津市の人口の推移はいかがでしょうか。
鴇田さん:木更津はこの10年間で約5,400人、人口が増加しており、実は東京湾アクアラインが接岸する金田地区から東京までバスで40分と利便性が高く、地価も東京、神奈川より安いのが理由だと思います。アクアラインを使って、通勤にも便利です。バスですから、必ず座って通勤ができるのも魅力のひとつなのかなと思います。
鴇田さん:金田地区にはアウトレットモールなどの商業施設が多数ありますので、観光客も含めて特ににぎわっています。そのお客さまをどれだけ中心市街地に呼び込めるかを、現在計画しているところです。
――最後に、これから木更津エリアに住むことを検討されている方々へメッセージをお願いいたします。
鴇田さん:木更津市では、パークベイプロジェクトをはじめとした、みなとを活かした新しいまちづくりを進めるとともに、都会にはない恵まれた自然や地域に根づく文化を次の世代へつなぐため、「オーガニックなまちづくり」を掲げ、「経済」、「環境」、「社会」の統合的な向上と脱炭素社会の実現を目指す地域循環共生圏の創造に向け、取り組んでいます。
さらに、東京湾アクアラインや圏央道、館山自動車道が結節し、東京まで高速バスで40分と、交通利便性も高いことから、大型商業施設や企業の誘致など、利便性も向上しています。
移住専門の公式アカウントも開設しておりますので、ぜひ登録をお願いします。
木更津市役所 駅前庁舎
木更津市企画部地域政策室 鴇田さん、鈴木さん
所在地: 木更津市富士見1-2-1 スパークルシティ木更津7・8F
電話番号:0438-23-7111
URL:https://www.city.kisarazu.lg.jp/
※この情報は2024(令和6)年6月時点のものです。