地域との結びつきが強い「松戸市立第三中学校」で行われるチーム担任制という新たな試み
「共働き子育てしやすい街ランキング」で3年連続総合1位を獲得、子育てしやすい街と評判の松戸市。市が力を入れている子育て支援は実にさまざまで、多岐にわたっている。
その中で今回注目したのは、松戸市の新たな取り組みの「チーム担任制」だ。 ほとんどの学校では通常クラスの担任は一人で行うが、チーム担任制は個人の担任を置かず、チーム全体で子どもたちをみるという新たな試み。このチーム担任制を取り入れる松戸市の中学校は2校で、そのうちのひとつ、「松戸市立第三中学校」へ伺った。チーム担任制、地域との関わりや教育目標などについて、教頭の伏見先生にお話しいただいた。
地域密着型の教育を実施する「松戸市立第三中学校」
——まず「松戸市立第三中学校」の概要や、特徴を教えてください。
伏見教頭先生:創立は1947(昭和22)年で、80年近くになります。2025(令和7)年現在、当校の生徒数は3年生が4クラス、2年生が5クラス、1年生が4クラス、それから特別支援学級が1クラスで、全校生徒は485名です。
また本校の特徴としましては、非常に地元に根付いている点が挙げられます。卒業生やOG・OB会で作る「龍房会(りゅうぼうかい)」というのがありまして、学校との結びつきが非常に強いです。民家に囲まれた地元密着型の中学校として、地域からも愛されていると感じます。
——貴校の教育方針や、特徴的な取り組みを教えてください。
伏見教頭先生:本校の教育方針は、「感性を高めよう(徳)」「知性を磨こう(知)」「身体を鍛えよう(体)」という、徳・知・体の目標が定められています。
特徴的な取り組みとしては、担任を固定しないチーム担任制を中学1・2年生で用いているところです。時期ごとに流動的に担任を入れ替える取り組みです。これは2024(令和6)年度から始め、松戸市からの指定で研究をしているところです。
子どもたちにとっては、さまざまな先生たちと交流する機会が増えるため、誰にでも相談しやすい関係性が築けます。また担任が固定されていないことで、学級経営に対しても子どもたちが主体的に取り組むようになりました。先生方は伴走型で関わっています。これは先生方の働き方についても有効で、大会前のクラブ活動などの繁忙期を迎える先生方を考慮して担任を決めるなど、業務負担の軽減につながると考えています。
伏見教頭先生:子どもたちはさほど抵抗なく受け入れられているように感じますが、保護者の方々からは、どの先生に相談したら良いかわからないというご意見をいただきました。2025(令和7)年度からはチーフを置くことで、事務的なことや相談がしやすい環境を整えています。
——3年生のみ固定制のままとしているのは、進学などの相談があるからでしょうか。
伏見教頭先生:そうですね、進路相談や事務などもあるので、わかりやすく担任制としております。
部活動が活発で全国大会出場実績も!「松戸市立第三中学校」の魅力
——学校に通われている子どもたちや保護者の方は、どのような方が多いでしょうか。また、進学の割合を教えてください。
伏見教頭先生:元気が良いですし、部活動を頑張っている生徒が多いです。ここ数年女子ソフトボール部が全国大会に出場、昨年は吹奏楽部が東関東大会に出場しています。野球部も県の1年生大会で優勝しています。子どもたちの努力に加え、保護者たちの協力、応援していただける環境もありがたいですね。
最近では外国に籍を置く生徒も増えていますが、地域の4つの小学校区からそのまま本校に進学する地元の子どもたち、保護者の皆さまが大半です。進学率は昨年は496名中、495名が公立・私立の高校に進学しました。
——保護者や地域の方々からよく聞かれる声や、貴校が評価されている点はどんなところでしょうか。
伏見教頭先生:学校全体では、友達や先生方とコミュニケーションを取りながら楽しく安全に学校生活を送っているというような、良い評価をいただいています。また、子どもたちからは給食が美味しいという声をよく聞きます。松戸市は校内で給食を作っていますので、栄養士さんが工夫を凝らして美味しいメニューを作ってくださっています。私はこの4月から赴任しましたがとても美味しく、見た目も工夫されているなと感じます。
——近隣の小学校や飲食店など、周辺で営業されている施設、保護者の皆さまと連携して行われる行事や授業などはありますか。
伏見教頭先生:PTAを通し、地域の方々と協力して年に一度バザーを行っています。毎年12月に行い、品物のご提供や検品作業にご協力をいただいています。
伏見教頭先生:また、馬橋地区社協で地域のお祭り「馬橋フェス」を行っています。地域の方々や中学生を巻き込んだ地域のフェスで、ゲームやお店を屋台のような感じで開いて、中学生もボランティアでお手伝いしています。地域の人々や、小学生も遊びに訪れます。
伏見教頭先生:また、3年生の家庭科の保育の授業で「おやこDE広場」の利用者に来校していただき、「赤ちゃん体験」をしています。校内の武道場にお母さんと赤ちゃんに来てもらって、実際に赤ちゃんを抱っこしたり、お母さんのお話を聞いたりしています。
自然と文化施設が身近にある「松戸市立第三中学校」周辺の暮らしやすさ
——学校の周辺環境についての魅力や暮らしやすさを教えてください。
伏見教頭先生:住宅街にありながら緑が多く、「松戸運動公園」や「21世紀の森と広場」などがあり、自然環境が良いところです。1年生は「21世紀の森と広場」に校外学習で歩いて行きます。また、「馬橋」駅からも比較的近いですし、便利な場所だと思います。
——通学環境や生徒たちの放課後の過ごし方について、地域の安全性や施設の充実度などを含めて教えてください。また、学校から見た周辺エリアの魅力や、具体的なおすすめスポットがあれば教えてください。
伏見教頭先生:他の子どもたちは「松戸運動公園」や「21世紀の森と広場」などに行って、体を動かしたりしているようです。安全に遊べる施設が身近にあると感じます。あとは「森のホール21(松戸市文化会館)」では合唱祭を行っています。
——最後に、これからこのエリアに住みたいと考えている方々に一言お願いいたします。
伏見教頭先生:学校行事については、「龍房会」の歴代PTAの会長さんや卒業生たち、町会長さんたちが生徒の活動のために支援してくださったり、行事にも顔を出してくれています。通常はPTAだけだと思いますが、当校には地域住民の方々にご協力いただける体制が整っており、これは大きな特徴だと思います。ぜひ一度周辺のエリアに足を運んでいただき、イベントや行事にご参加をいただければと思います。

松戸市立第三中学校
伏見教頭先生
所在地:松戸市馬橋2080
電話番号:047-341-5195(代表)
URL:https://www.matsudo.ed.jp/mtd-3-j/
※この情報は2025(令和7)年4月時点のものです。