南流山に暮らすMINAMI-NAGAREYAMA

スペシャルインタビュー

みんなが笑顔になる学校を目指して挑戦し続ける「新松戸西小学校」インタビュー

けやき通りを中心に綺麗な街並みが広がる新松戸エリア。大規模なマンションを中心に、戸建ての住宅や公園もバランス良く整備され、子育て世代はもちろん高齢者にも暮らしやすい生活環境が整っている。駅から少し離れれば坂川や田畑が今なお大切に受け継がれ、豊かな自然環境に恵まれているのもこのエリアの特徴だろう。今回は地域の発展とともに歴史を歩んできた「松戸市立新松戸西小学校」を訪ね、校長の新木準一先生に学校の概要や特色ある取り組み、地域の魅力について話を伺った。

取材にご協力いただいた校長の新木準一先生
取材にご協力いただいた校長の新木準一先生

1987(昭和62)年に開校した「松戸市立新松戸西小学校

——まず「松戸市立新松戸西小学校」の歴史と概要についてお聞かせください。

新木校長先生:松戸市立新松戸西小学校」は1987(昭和62)年の開校で、今年で37年目を迎えます。松戸市内では2番目に新しい小学校で、「新松戸北小学校」の児童数増加に伴う大規模校化を解消するために本校が新設されました。その後、2005(平成17)年に「新松戸北小学校」と統合し現在に至ります。

児童数は2024(令和6)年4月10日時点で368名でしたが、今年は転入生が多く10名くらい増えています。学区内にはマンションの建設予定もあるようで、今後も増加傾向にあるという印象です。学級数は通常学級が12、特別支援学級が2の合計14学級で運営しています。

1987(昭和62)年の開校より37年目を迎える「新松戸西小学校」
1987(昭和62)年の開校より37年目を迎える「新松戸西小学校」

「みんなが笑顔の新西小」を合言葉とした学校運営

——次に学校教育目標についてお聞かせください。

新木校長先生:「自ら学ぶ子 共に生きる子 たくましい子」については、開校以来変わらず同じ目標を掲げて教育活動を行っていますが、解釈の仕方については時代によって変えていくべきと思います。

学校教育目標は「明るく生き生きと学ぶ学校〜自ら伸びようとする子どもの育成」です。子どもたちには合言葉として「みんなが笑顔の新西小」と伝えています。笑顔になるためにはどうすれば良いかということを第一に考えた学校運営を行っています。この笑顔というキーワードも代々受け継がれているものですが、着任してから特に強調して伝えている部分です。

掲示される学校の合言葉
掲示される学校の合言葉

「多様性を考えた学級づくり」をテーマに研究

——「多様性」をテーマにした研究にも取り組んでいらっしゃるようですが、内容について教えていただけますでしょうか。

新木校長先生:昨年度の「多様性を互いに認め合える関係づくり」に続いて、今年度は「多様性を考えた学級づくり」をテーマに研究を進めています。内容としては新しく何か取り組みを始めるというよりも、ひとつひとつの活動や行事の中でどうやって取り組むか、子どもたちにどう意識づけをしていくかというところを大切にしています。

例えば運動会は昔から勝ち負けがつくもので、だからこそ得られるものがありますね。しかし、一人ひとりが自分にできることを見つけて全力で取り組むことは、勝ち負け以上に大切なことかもしれません。特に低・中学年の子どもたちにとっては、よりその過程に重きを置いていきたいと考えています。

教室前面に掲示物を貼らないのも、ユニバーサルデザインの視点で「多様性」を意識した取り組み
教室前面に掲示物を貼らないのも、ユニバーサルデザインの視点で「多様性」を意識した取り組み

新木校長先生:また本校には特別支援学級があり「知的学級」「情緒学級」がそれぞれあるほか、「ことばの学級」というのも設置されています。あと外国籍の児童もいますので、あらゆる「多様性」について考える機会が多くあります。

英語であればコミュニケーションをとれる先生もいますが、中には英語圏の出身ではない子どももいます。そうした場合でも松戸市からポケトークを貸し出してもらったり、週1回スタッフを派遣してもらったりしてコミュニケーションをとっています。

子どもたちの学ぶ意欲につながる工夫を凝らした廊下の掲示物
子どもたちの学ぶ意欲につながる工夫を凝らした廊下の掲示物

新木校長先生:また国によっては文化や風習の違いなどもありますので、学校生活を送るうえでお互いについて学ぶ必要があります。教育の場なので一方的に日本の文化に合わさせるというのも違うと思いますし、お互いにどう折り合いをつけるのかが大切だと思います。

世の中には国籍や文化、障がいの有無も含めていろんな背景や個性を持った人たちが一緒に社会生活を送っています。みんなそれぞれお互いの良さを生かしながら一緒になってやっていくことが「多様性」の尊重だと思います。

また、「多様性」とセットになって語られるのが「人権」という言葉ですが、「多様性の尊重」と「人権意識」を併せ持った人材を世の中に送り出していくことが私たち教員の役割だと思っています。

DXが進む教育現場の実際の取り組み

——ICTに関する取り組みについても教えていただけますでしょうか?

新木校長先生:松戸市では2021(令和3)年度に1人1台タブレットが配布され、授業中にタブレットを使って学習するというのは日常の光景になりました。また現在は授業のDXに関する研究も進めています。授業のDXというのは、タブレットを使うということだけではなく、従来の教育や指導方法そのものを改革するということを意味します。本校ではまず校務におけるDXを積極的に進め、デジタル技術を活用することが当たり前という状況を作りながら、並行して授業のDXを進める計画です。

タブレットを活用した授業の様子。パワーポイントでスライドを作成中。
タブレットを活用した授業の様子。パワーポイントでスライドを作成中。

新木校長先生:私が教員になる前に外資系コンピューター企業にいたこともあって、「来週からDXを進めます!」くらいの勢いで昨年度途中から明確に打ち出して取り組んでいます。

例えば教員の日報は紙を廃止してペーパーレスにしました。また行事予定などの書類はTeamsを使って全員が共有しています。そうすることによって共同編集もできますし、即時新しいものに更新していくことも可能です。また保護者向けのおたよりやアンケートも紙を廃止しました。学校だよりはデジタル配信で、参加確認などはFormsを使って回答いただくようにしています。

授業を通して身に付くICTスキル。共同編集で作業も効率化。
授業を通して身に付くICTスキル。共同編集で作業も効率化。

新木校長先生:大切なのは「多様性」もDXもそれが目的ではなく、手段として活用していくということです。あくまで中心にあるのはみんなが笑顔になることであり、そこさえ外さなければあらゆるものをツールとして活用することができると思います。

失敗を恐れず、挑戦することを諦めないという姿勢が大事だと思います。

「地域の子どもを地域で守る」という意識

——続いて地域や保護者とのつながりについてはいかがでしょうか?

新木校長先生:「新松戸」駅から歩いてくるとよくわかりますが、このあたりには大きなマンションがいくつも建っています。そこに移り住んだ人たちは東京にお勤めの方も多く、子どもたちの教育に対して高い関心を持っています。また、「地域の子どもを地域で守る」という意識が高く、登校指導ボランティアやスクールガードの活動など熱心に行ってくださいます。今月も地域の行事やお祭りがいくつかありますが、地域と学校とのつながりも強く、私も地域にある学校の校長として参加させていただく予定です。

今年度の新しい取り組みとしては校内に「地域ルーム」という部屋をつくりました。保護者はもちろん、ボランティアやスクールガード、地域の人がいつでも来て自由に使えるように開放しています。また最近では「新松戸」駅の近くにある「流通経済大学」との接点もできてきたので、学生ボランティアさんが来た際に使っていただくのも良いかなと思っています。

保護者やボランティアなど地域の人がいつでも使える「地域ルーム」
保護者やボランティアなど地域の人がいつでも使える「地域ルーム」

新木校長先生:ちなみにこの地域の「坂川の花桃を愛する会(花桃の会)」の方が、毎年本校の1年生と5年生を招待してさつまいも掘りを体験させてくれます。また学校に来てお話をしてくれる機会もあり、貴重な取り組みのひとつだと思います。

「新松戸」駅、「南流山」駅の2駅利用可という利便性の高いエリア

——最後に新松戸・南流山エリアの魅力について教えてください。

新木校長先生:本校は「新松戸」駅と「南流山」駅までほぼ同じ距離にあります。近くに路線バスが通っているため「新松戸」駅を利用する人が多いと思いますが、「南流山」駅も徒歩圏にありTXを利用する際などは便利だと思います。

「南流山」駅
「南流山」駅

2駅利用可という地域性と土地も比較的多く残っているので、これからも新しい人が増えていくと思います。

——おすすめのスポットなどはありますか?

新木校長先生:そうですね、けやき通りは整備が行き届いていて綺麗ですね。「新松戸まつり」という地域のイベントもあって、「新松戸中央公園」やけやき通りは多くの人でにぎわいます。

「新松戸」駅へとつながる整備の行き届いた「けやき通り」
「新松戸」駅へとつながる整備の行き届いた「けやき通り」

新木校長先生:学区内には小さな公園や「松戸市市民交流会館(すまいる)」という公共施設もあって、子どもたちが遊びに行ける場所があるのも良いところだと思います。

新木準一校長先生
新木準一校長先生

松戸市立新松戸西小学校

校長 新木準一先生
所在地 :千葉県松戸市小金1180
電話番号:047-344‐1061
URL:https://www.matsudo.ed.jp/sinnis-e/
※この情報は2024(令和6)年10月時点のものです。

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