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学業と部活動に励む文武両道の中学校

子どもたちに地域ボランティアを推奨 地域とのつながりを大事にする「市川市立第六中学校」

市川市立第六中学校」は、JR総武線「下総中山」駅から徒歩15分ほど歩いた住宅街の中にある。2024(令和6)年度に着任された河合滋校長先生に、地域の魅力や近隣住民との関係について伺った。

「市川市立第六中学校」正門
「市川市立第六中学校」正門

真面目で優しい子が多く、男女の仲も先輩後輩の仲も良い

―まず「市川市立第六中学校」の歴史や概要についてお聞かせください。

河合先生:1959(昭和34)年に開校した学校で、2019(平成31)年には創立60周年を迎えました。現在の生徒数は568名で、1・2年生が6クラス、3年生が5クラスあります。市内には7学級以上ある学校も複数あるので、市内では中規模の中学校と言えるでしょう。すぐ近くの「市川市立鬼高小学校」と、外環道の先にある「市川市立稲荷木小学校」の2校を卒業した子が本校に進学してきます。学校教育目標は「やさしく たくましく 生きる人間に成長しよう」です。

2024(令和6)年度に着任された河合滋校長先生
2024(令和6)年度に着任された河合滋校長先生

―学校の特色や取り組みについて教えてください。また、通われている子どもたちに対する印象などあれば、お聞かせください。

河合先生:六中の生徒は落ち着いていて、真面目でひたむきな子が多いですね。本当に優しい子が多いです。男子生徒と女子生徒の仲も総じて良く、先輩後輩もフレンドリーな関係です。教育目標に掲げているキーワードのひとつである「やさしさ」は、すでにクリアしていると思っています。もうひとつの「たくましさ」は身体的なものと精神的なものがあり、精神的なたくましさはもっとあってもいいのかなと感じています。

晴れの日には陽光が差し込む渡り廊下
晴れの日には陽光が差し込む渡り廊下

―実績がある管弦楽部など、部活動について教えてください。

河合先生:現在は野球部、ソフトボール部、サッカー部、女子テニス部、陸上部、男女バレーボール部、卓球部、男女バスケットボール部、剣道部、管弦楽部、美術部、パソコン部があります。運動部も文化部も活動が盛んで、みんな本当に熱心にやっています。特に頑張っているのは女子バスケットボール部と男子バレーボール部でしょうか。どちらも県で上位に入る強さを持っていて、女子バスケ部は全国大会も視野に入れるようなレベルです。かつて日本一にもなったこともある管弦楽部も頑張っていますが、現在は少し部員不足に悩んでいます。一方で美術部は部員が50人ぐらいいてにぎやかです。

子どもが主体的に取り組める授業で、表現力をもっと伸ばしたい

―子どもたちの進路について、進学する割合の多い高校の傾向や私学進学割合など、可能な範囲で教えてください。また、学習塾へ通う子どもたちの割合も分かれば教えてください。

河合校長先生:令和5年度の卒業生の進路状況を見ると、約6割が公立高校、約3割が私立高校、約1割が定時制や通信制の高校に進学していますね。私立高校は県内と都内が半々ぐらいです。塾については調べたわけではありませんが、本校は学力が比較的高いので、通っている子が多いと思います。

開放的な大きな窓が特徴の教室
開放的な大きな窓が特徴の教室

―市川市の小中学校では、放課後や長期休暇の際に校内塾の「まなびくらぶ」を利用できるとのことですが、貴校ではどのくらいの子どもたちが参加されていますか。

河合先生:補修が必要な子を対象とした10年以上前からあるシステムで、市から委嘱されて学びサポーターと呼ばれる方が来て教えてくださいます。

―今後力を入れていきたいこと、取り組みたいことはありますか?

河合先生:1つは表現力の向上です。本校の生徒たちは真面目でコツコツやる子が多く、学力も高いです。しかしその力を使って表現することに関しては、まだ十分ではないように感じています。基礎学力は十分あるので、その知識や技能を活用して表現する力をもっと伸ばしたいと考えています。

先生たちにも、より子どもが主体的に取り組める授業をお願いしています。つまり、黒板の前で先生がずっと喋るような旧来の授業ではなく、子どもたち同士が話し合ったり、発表したりする授業ですね。そういう授業をもっと増やしたいです。

校舎
校舎

河合先生:2つめは多様性を認めることです。例えば人種や国籍の違い。学校には来日して日が浅く、日本語がままならない子たちも来ます。そういった子のために、本校では外国籍の子が日本語を学ぶ日本語指導教室を設けて、国語や社会など一部の授業を日本語学習の時間に充てています。対象の子は現在20人弱で、中国系の子が多いです。

市内では本校の他に「第七中学校」と「大洲中学校」にも日本語指導教室があり、私が昨年度までいた七中にはインドやネパールなどイスラムの子が多くいました。性自認やジェンダーへの配慮も重要です。本校は3年前に制服を学ランとセーラー服からブレザーに変え、女子生徒もズボンを選べるようにしました。ズボン姿の女子生徒は珍しくありません。みんなが互いに配慮し、尊重し、さまざまな面で認め合いながらやっていくこと。これからの時代はそれが当たり前でなければいけません。

子どもたちはこれからの時代を担う存在です。表現力の向上と多様性についての教育には、これまで以上に力を入れて取り組んでいきたいです。

地域におけるつながりを大事にする強さ、利便性が高い下総中山エリア

―近隣施設との連携や地域住民、自治会の皆さまとの交流など、地域の交流状況や活動についてお聞かせください。

河合先生:地域と学校を結びつけたいと考え、常日頃から積極的に地域との交流を推進しています。地域の子どもたち、ひいては学校への関心が非常に高い地域なので、子どもたちの様子が分かるよう、学校の公式サイトにあるブログは毎日更新し、学校だよりも毎月発行しています。

この辺りには昔から住んでいる人も多く、都内に隣接している地区の割には地元の自治会がしっかりしていて、地域の治安が守られている印象です。正門を出てすぐ目の前にある鬼高自治会とは、いろんな場面で協力し合っています。自治会の防犯パトロールに教員が参加して一緒に自転車で地域を見てまわることもりますし、体育祭では鬼高自治会がテント貸し出してくださり、設営や片付けも手伝ってくださいました。

自転車で周辺をパトロール(提供:市川市立第六中学校)
自転車で周辺をパトロール(提供:市川市立第六中学校)

自治会の人と一緒にテントを設営(提供:市川市立第六中学校)
自治会の人と一緒にテントを設営(提供:市川市立第六中学校)

河合先生:子どもたちにも地域のボランティアを積極的にやるように言っています。例えば自治会からお祭りの手伝いに何人か来てほしいという依頼が来たら、行ってくれる子を募って準備や運営を手伝ってもらいます。春には稲荷木小の運動会に用具係として本校の生徒が何人か行きましたし、今月も自治会主催のイベント「鬼高地域フェスティバル」の運営を子どもたちが手伝う予定です。

最初の動機は何となくでも内申点のためでも良いので、まずはやらせてあげることを大事にしています。助け合う大切さや人の役に立つ喜びなどは、やってみないことには分かりませんから。

2年生の職場体験も、地域の協力があってできることです。コンビニ、花屋、保育園など、この地域のいろんな事業所に子どもたちを3人ずつぐらい派遣して、2日間仕事を体験するというもので、全部で70カ所くらいの派遣先が必要になります。多くの企業が受け入れてくださることで、キャリア教育の一環として実地体験を行う予定でいます。

職場体験の様子(提供:市川市立第六中学校)
職場体験の様子(提供:市川市立第六中学校)

―学校から見た下総中山エリアの魅力をお聞かせください。

河合先生:やはり大きいのは地域住民の方が学校に非常に協力的だということです。毎朝、登校時間に自治会の人たちが交差点などに立って、近隣の小中学生の通学を見守ってくださっています。みなさんにとっては孫みたいなものなのでしょう。笑顔で子どもたちと挨拶を交わしています。そうした地域の人々と子どもたちとのつながりは、学校としてはもちろんですが、子どもを持つご家庭にとっても安心感があるのではないでしょうか。

また、交通の便が非常にいいのも特長です。電車ならJR総武線の「下総中山」駅、京成線の「京成中山」駅や「鬼越」駅、地下鉄東西線の「原木中山」駅の3路線が使えますし、京葉市川インターチェンジも原木インターチェンジも近いので車も便利です。大型商業施設の「ニッケコルトンプラザ」と「SHOPS」が近いので買い物もできます。いろんな面で便利な、住みやすいところだと思います。

「ニッケコルトンプラザ」
「ニッケコルトンプラザ」

河合滋校長先生
河合滋校長先生

市川市立第六中学校 河合滋校長先生

所在地:千葉県市川市鬼高3-16-1
電話番号:047-370-0533
FAX番号:047-370-0536

※この情報は2024(令和6)年7月時点のものです。

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