八千代市立新木戸小学校 校長先生インタビュー

学校、保護者、地域「3つの輪」が温かく子どもたちを育む「八千代市立新木戸小学校」

「八千代緑が丘」駅から徒歩3分、イオンモールのすぐ裏手にある「八千代市立新木戸(にいきど)小学校」は、この街にまだ広い野原が広がっていた時代に開校し、街の成長とともに歩んできた小学校だ。かつては1,300人以上というマンモス小学校だった時代もあり、この学校の出身という地域住民はかなり多い。それだけに、小学校と街の関わりが深く、学校、保護者、地域の「3つの輪」のもとで、充実した教育活動が行われているという。 今回は校長の寺田好江先生を訪ね、学校の特徴と力を入れている活動、地域の協力体制、緑が丘エリアの魅力などについて、幅広くお話をうかがった。

新木戸小学校 寺田校長先生
新木戸小学校 寺田校長先生

――まず、新木戸小学校の沿革と概要を教えてください。

寺田校長先生: 本校は1984(昭和59)年4月に開校した学校で、その当時、この辺りは“野っ原”が広がっていたということです。当初はこの学校の規模も小さくて、336人、9クラスで始まったのですが、2009(平成21)年には1,308人、39クラスまで大きくなりまして、2010(平成22)年には「みどりが丘小学校」が線路の向こう側にできましたので、そちらに分離をしました。

現在の児童数は約620人です。来年からは学区編成が変わりまして、みどりが丘小の学区だった子が、あらためて本校にやって来るということになりますので、来年の児童数は増えると思います。それでも、一番児童数が多かった時期に比べれば少ないですから、キャパシティには、十分に余裕がある学校です。

また、本校は毎年クラス替えを行っている学校です。児童数が変わらなくても、毎年替えていますが、これは子どもたちの人間関係をつくるうえで、良い影響があると考えて行っています。

English Roomの掲示物
English Roomの掲示物

――校舎もかなり大きいですね。建物の特徴を教えてください。

寺田校長先生: 本校は普通教室がある旧校舎と、5階建ての新校舎に分かれております。新校舎には、音楽室や図書室などの特別教室と、普通教室が2学年分、配置されていて、エレベーターが付いていますので、体調の悪い子など、エレベーターが必要な子はこちらも利用できます。5階建てでエレベーター付きの校舎は、市内では本校だけだと思います。

それから今年度から、学童保育の部屋が旧校舎の1階部分にできました。利用する児童は、昇降口から一旦「さようなら」と出ていって、また学童保育の入口から入る形になりますが、安全に過ごせるような環境ができました。

あと特徴としては、校庭がとても広いです。以前は1,300人いた学校ですので、駅から近くにある学校としては、すごく広い校庭が取られていて、全校生徒で遊んでも、まだまだ余裕がある広さです。休日には、ご家族で遊びに来たりという姿も見られますね。

新校舎の図書室
新校舎の図書室
広い校庭と校舎
広い校庭と校舎

――学校目標や、学校の合言葉があればお聞かせください。

寺田校長先生: 本校の学校教育目標は、「自らの可能性を拓く子どもの育成」です。子ども達にはそれぞれ可能性がありますから、いろいろな体験や経験を通して、いろいろな方と交流をして、自分の力、自分の可能性というものに気づいて、様々なことに「トライ」をしてほしいと思っています。子ども達には「にいきど」という文字の頭文字をとって、「がてなことも」「っしょうけんめいとりくんで」「ょうみをもったことに」「んどんトライ」という言葉でいつも伝えていまして、「Let’s try!」が、みんなの合言葉になっています。また、創立30周年記念として全校児童の投票で「ニッキー」というキャラクターが生まれました。学校の色々なところで活躍しています。

みんなの合言葉「Let's try!」とキャラクター「ニッキー」
みんなの合言葉「Let's try!」とキャラクター「ニッキー」

――特にどのような教育活動に力を入れていますか。

寺田校長先生: まずひとつは、「英語教育」です。本校では8年前から、「小学校英語」の研究を進めています。八千代市全体が、文部科学省に特区申請をして、小学校1年生からの英語授業に取り組んでいる自治体です。本校はその中でも特に「研究校」として、先進的な取り組みをしている学校になります。

また、いま本校は「ユネスコスクール」(※)への登録を目指しています。今年はまだチャレンジ期間なのですが、ユネスコスクールへの登録が可能になれば、世界のユネスコスクールとの交流ができるようになってくると思います。そうすれば、子どもたちの力、可能性も、ますます広がっていくのではないかな、と期待しています。※ユネスコスクール:「ユネスコ憲章に示されたユネスコの理念を実現するため、 平和や国際的な連携を実践する学校」(引用元:文部科学省ホームページ)

それから、「社会に開かれた教育課程」という言葉が今年度改訂された学習指導要領のキーワードですが、本校でも、外部講師に来校いただき、担任がすべてを教えるのではなく、「その道のプロ」に出会う、教わるということを大事にしています。こういった経験が、子どもの将来にとっても大きな力を及ぼすと思っていますので、今後も発展させていきたいと思っています。

――具体的にどのような「プロ」が来校されているのでしょうか?

寺田校長先生: 今年はコロナの影響でほとんどできていませんが、ここ数年は、和太鼓のプロの方に毎年来ていただいていて、4年生の音楽の授業の中で指導をしてもらっています。また、義足を使っている方に、「アンプティサッカー」、つまり杖を使ってやるサッカーですが、これを教えていただいて、一緒におこなったり、その方の手配で車いすや義足の体験などもおこなったりしました。

今年度やったものだと、ASEAN(アセアン)の交流授業もそのひとつです。これは6年生を対象にした授業で、フィリピン、タイ、シンガポールというアセアン3国の方に来ていただいて、それぞれの国のことをお話していただきました。

パラリンピック競技に熱心に取り組む子どもたち
パラリンピック競技に熱心に取り組む子どもたち

――地域の方との交流や、連携して行っている活動などがあれば教えてください。

寺田校長先生: まず、「子どもたちの安全」という部分では、本校には「スクールガード」という組織がありまして、子どもの登下校を毎日見守ってくださっています。ここは駅前ということもあって、大きな交差点もあり、スクールガードの方が毎日同じ場所に立ってくださっています。子ども達とも顔見知りで、子どもの様子などについても、スクールガードの方から情報が入るということもあります。非常にありがたく、心強い存在ですね。

また、一昨年から「高津・緑が丘地域学校協働本部」ができました。これは地域にある5つの小学校、2つの中学校の横の連携ですが、学校だけではできないことを、地域みんなで助け合いながらやっていけたら、ということで組織されました。昨年から千葉県立八千代西高等学校に入っていただいたり、今年度は千葉県立八千代特別支援学校にも入っていただいて、少しずつ輪が広がってきています。

具体的な成果のひとつとしては、地域の「防犯マップ」というものがありますね。これを約1万8千枚印刷して、各校の児童生徒やPTA、自治会、ショッピングセンター、郵便局などにお配りして、掲示していただいています。本当に皆さんが協力的で、「地域全体で子どもたちを守ろう」という意識が、とても高い地域だと思っています。

緑が丘地域の「防犯マップ」
緑が丘地域の「防犯マップ」

――学校から地域へ、地域に向けて子どもたちが関わっていく、という機会はありますか?

寺田校長先生: 地域の方に誘っていただいている行事としては、5月の「緑が丘ローズハーツふれあいフェスタ」というのが大きな行事ですね。これは「八千代緑が丘」駅前でやっているお祭りで、お祭りが始まった当初から本校の児童はそこに参加しています。運動会で行った演技を披露することが多いですね。このほかにも、地域の敬老会とか長寿会といった時に呼んでいただいて、同じように演技を披露したり、音楽部が発表をしたり、という交流をしています。

――PTAの活動について教えてください。

寺田校長先生: 本校にはいわゆる「PTA」があります。現在のPTA会長さんの考えとして、「できる時に、できる人が、できることをやれるPTA活動」ということでやっています。 実は、今年は新型コロナウィルスの関係でPTAの集まりは一度もできていないのですが、それにもかかわらず、例年どおりボランティアで旗振りに立ってくださっていたり、昨年、広報誌を制作した方たちが、「こんな時だからこそ私達ができることをやろう」ということで、引き続き広報誌を作ってくださったりしています。休校中は、その広報誌に、休校で会えていない先生たちを紹介するような記事も載せてくださいました。花の苗植えをしてくれていた方たちも、今年も継続してやってくださったり、自主的に活動してくださっています。

それから、PTAとは別に「父親の会」というものもあるんです。この父親の会の方たちも、「防災キャンプ」と銘打って、泊まりではないのですが、段ボールで基地を作ってみようとか、日が落ちた後に肝試しをやってみようとか、いろいろなことを例年企画してくださっています。

――卒業後の子どもたちの進路について教えてください。

寺田校長先生: やはりこれだけ駅に近い学校ですから、電車に乗って県立中、私立中に行くという子も、八千代市内の学校としては比較的多いです。例年、15~20%くらいの子どもたちが私立中に行っています。ただ、公立中学校もかなり頑張っていまして、本校から進学する高津中学校も、部活動もさかんで、進学率も悪くない学校ですから、かなり学力の高い子でも、敢えて公立を選ぶという例は多いです。「高津中は安心して行けるから」という声は、保護者の方からもよく聞きますね。

教室内
教室内

――今後、どのような学校にしていきたいとお考えですか?

寺田校長先生: 先ほどもお話した、「ユネスコスクール」の登録ですね。10年後、20年後には、子どもたちは社会の中で、世界的な問題や、地球上の問題を考えていかなければいけない状況に、おそらくなると思うんです。そういった中で生きていくには、課題を自分で見つけて、自分で考えて、それに対して何か行動を起こすということを、学校教育の中で学んで、力を付けていかなければいけないと思っています。 子どもたちには、大人になった時に決して「無関心」でいるのではなく、自分から何かを発信したり、行動したりできる大人になってほしいな、と思っています。

校歌
校歌

――校長先生が子どもたちと関わる中で、大切にしていることを教えてください。

寺田校長先生: 私はとにかく、「命」がいちばん大事だよ、ということをいつも言っています。この夏休みも、宿題は出さずに、「命を大切にする」という「たったひとつの約束」をしました。2学期の始業式には全員が元気に登校してきてくれたので、「校長先生の宿題、ちゃんとやってこれたね」ということを伝えました。 もうひとつ大事にしているのは、「3つの輪」です。子どもたちを見守るには、学校の先生たちだけではダメなんです。学校と、保護者と、地域。この3つがともに同じ方向を向くことがとても大事だと思っています。校長室だよりも「三輪車」というネーミングにしていますが、これも、三者が一つになって、協力していこうという考えからですね。

「三輪車」というタイトルの校長室だより
「三輪車」というタイトルの校長室だより

――最後に、八千代緑が丘エリアの魅力についてお聞かせください。

寺田校長先生: この学校ができて37年になりますが、緑が丘はその名のとおり緑の丘から始まって、学校と一緒に街ができてきた地区になりますので、どの方たちもこの街に愛着をもっていて、小学校に愛着をもっていて、「みんなで街を作っている」という意識が非常に高い街だと感じています。 最近は大きなマンションもいくつか建って、それぞれにコミュニティもできていますけれども、そちらの皆さんも学校に対してとても協力的で、本当に、地域の皆さん全員の目で、今までもこれからも、しっかりと子ども達を見守ってくださっている、すごくあたたかな地域だと思っています。

「八千代市立新木戸小学校」の校門
「八千代市立新木戸小学校」の校門

校長先生
校長先生

八千代市立新木戸小学校
寺田好江校長先生

所在地 :千葉県八千代市緑が丘2-4
電話番号:047-450-8488
URL:https://www.yachiyo.ed.jp/eniikido/
※この情報は2020(令和2)年9月時点のものです。