進化を続ける柏の葉エリア

交通アクセスも便利で生活施設が充実した街として人気のベッドタウン、柏の葉エリア。ここはかつて陸軍の飛行場であり、戦後は米軍柏無線送信所として使用された場所だった。この施設は1979(昭和54)年に日本へ全面返還され、その広大な敷地を魅力ある地域へと生まれ変わらせるための土地区画整理事業がスタート。柏の葉エリアは新たな歴史を刻み始める。

千葉大学環境健康フィールド科学センター
千葉大学環境健康フィールド科学センター

土地区画整理事業により柏の葉エリアにできた施設には、「東京大学宇宙線研究所」などを併設する「東京大学 柏キャンパス」や、「千葉大学 環境健康フィールド科学センター」がある「千葉大学 柏の葉キャンパス」など、教育・研究機関が多い。

このほか、「財務省税関研修所」など行政機関が多く集まっていることも特徴で、今や、首都圏のみならず日本全体の教育・研究や行政を支える重要なエリアだ。また、「東大柏ベンチャープラザ」のような、ここでの研究成果を産業に生かすための施設も集まっている。

柏の葉キャンパス駅
柏の葉キャンパス駅

待望のつくばエクスプレスが開通し、柏の葉エリアにも「柏の葉キャンパス」駅が開業してからは、柏の葉エリアの交通利便性が飛躍的に向上し、街が大きく成長することになる。2006(平成18)年には、「柏の葉キャンパス」駅前に「ららぽーと柏の葉」がオープン。ショッピングの街としても注目を集めるようになった。

ららぽーと柏の葉
ららぽーと柏の葉

柏の葉エリアでは、「柏の葉スマートシティ」における街づくりを、公・民・学が一体となって行なっている。そして2014(平成26)年、ショップ、オフィス、ホテル、住居など多彩な都市機能を集積させた「ゲートスクエア」の誕生により、「柏の葉スマートシティ」の街づくりは第2ステージへと突入。今後も2030年までに、「ゲートスクエア」を中心にスマートシティの機能を街全域(約300万平方メートル)へ広げていく。

マルシェコロール×千葉大キャンパスセンター祭2011
マルシェコロール×千葉大キャンパスセンター祭2011

こうして発展を続けるなか、柏の葉エリアでは街づくりで注目を集める取り組みもなされている。例えば、柏市オリジナルの「まちのコスチューム」をデザインし、柏の葉エリアで働くスタッフのワークウエアとして利用したり、「柏の葉キャンパス」駅前では地域の農家や企業が出店する「マルシェコロール」を開催したりと、地域をより活性化させていく取り組みが行われている。

さらに、環境と共生する地域を目指して、柏の葉エリアでは、家のモニターで毎日のCO2排出量を確認できるモニターの設置というユニークな試みも実施中だ。

計画的に街づくりが行われたエリアならではの、広い通りや駅前広場、充実した公共施設、ショッピング施設と快適な都市基盤が揃った柏の葉エリアは、先進的な取り組みでさらなる発展を目指している。近い将来、ここには、もっと便利で快適な街が実現していることだろう。