聞いて演じて学ぶ子ども英語教室

君津市から世界につながる。“生きた”英語が子どもをはぐくむ「Labo Party(ラボ・パーティ)」

1966(昭和41)年に産声をあげた子ども英語教室の「Labo Party(ラボ・パーティ)」。そのメソッドは、繰り返し物語の音声教材を聞き、その世界観を英語劇で表現するというユニークなもの。しかし、人間が母語を獲得する過程や環境に目を向けると、ラボ・パーティのメソッドは本質的で、実に理にかなったものと言えるのかもしれない。今回は、君津市にあるラボ・パーティ宮下教室を訪ねて、地域の魅力とともにお話を伺った。

「Labo Party(ラボ・パーティ)宮下教室」の佐藤さん
「Labo Party(ラボ・パーティ)宮下教室」の佐藤さん

ことばがこどもの未来をつくる、「ラボ・パーティ」の取り組み

――まずは「ラボ・パーティ」の概要や教室での活動についてお聞かせください。

佐藤さん:「ラボ・パーティ」は、1964(昭和39)年に開催された「東京オリンピック」の2年後、1966(昭和41)年にスタートしました。“ことばがこどもの未来をつくる”を教育理念に掲げ、現在、全国に約2,000ヶ所教室があります。

教材には、英語と日本語が交互に語られる音声教材と絵本を使います。物語の音声教材を繰り返し聞くことで、ことばへの興味を育むと同時に、言語力そのものの基礎を育みます。英語を学ぶために母語を使うだけではなく、すべての土台となる母語、日本語を大切にしているのです。

さまざまな名作が並ぶ
さまざまな名作が並ぶ

また、子どもにこそ良質のものを与えようという考えから、物語の音声教材は細部にまでこだわって作り込んであります。例えば音楽についても、専門に勉強した方に驚かれるくらい著名な方に曲づくりをお願いしていますし、日本語の吹き替えも、実力のある誰もが知っているような俳優の方々が担当しています。どれも繰り返し聞きたくなる作品で、大人が聞いてもきっと惹き込まれると思います。

私の教室は、昨年に20周年を迎えました。これまでに多くの子どもが巣立っていき、海外ホームステイプログラムに参加した子どももかなりの人数になります。静かで穏やかな街の教室ですが、ここから子どもたちが世界へと羽ばたくお手伝いができたらと思っています。

――子どもたちが英語を使って劇を演じる活動もあるそうですね。

佐藤さん:そうですね。「ラボ・パーティ」の特徴のひとつは英語劇です。繰り返し聞いてきた物語を、仲間と話し合い、協力しながら英語劇をつくっていきます。丸暗記した英語ではなく、そこで使われるのは生きた英語です。子どもたちは演じることで、物語に出てくるキャラクターの気持ちに共感したり、理解しようとしたりします。それにより、英語も暗記した台詞をただ口にするのではなく、感情とともに自然と込み上げてくる言葉になるのです。

英語劇の発表
英語劇の発表

特に幼児の場合ですが、物語の世界により深く入り込んでしまうようで、絵本のなかで三匹のヤギが橋を渡る場面になると、劇であるにもかかわらず、怖くて進めなくなってしまう子もいました。子どもの想像力の豊かさは本当にすばらしいものがありますから、大人が一方的に押し付けたり、与えたりすることはせず、それぞれの感性を大切にして接しています。

子どもの想像力を育む多くの絵本がそろう
子どもの想像力を育む多くの絵本がそろう

佐藤さん:物語には、実際に人生で遭遇するのに似たような場面がたくさん出てきます。そのようなときに、英語でも日本語でも、よい言葉とたくさん出会っているとそれを思い出すことができる。文学の中のことばが、人生の大きな助けになることがあるのではないかなと思います。

「ラボ・パーティ」教室の様子
「ラボ・パーティ」教室の様子

――教室に通うことで、感じられるお子さんの変化などはありますか?

少し前に、人種差別抗議運動「ブラック・ライヴズ・マター」が話題になりましたが、それについて“自分が思っていることをどうしても話しあいたい”という高校生の子がいました。学校の友だちには話せないけれど、ラボの仲間なら話せるし、話したいと言っていました。

また私の教室の卒業生に、世界を一周してきた女の子がいるのですが、英語があまり通じない国もあるなか、写真を見るとどれも楽しそうだったのでそれについて聞いてみると、“だって私はラボやってたんだもん。どこでも誰とでも話せるよ”と笑って答えてくれました。

我が子のことのように、温かく子どもたちの様子をお話しいただいた
我が子のことのように、温かく子どもたちの様子をお話しいただいた

「ラボ・パーティ」にはホームステイプログラムもあります。英語劇でいろいろな場面を疑似体験しているとはいえ、出発前にはやはり不安はあると思います。でも約1か月間のホームステイで、さまざまな壁を自分で乗り越えるのでしょう。帰国後は、みんなが滞在中のことを楽しそうに話してくれます。ホームステイを経験したことで、すぐに変化が見られる子もいますが、時間をかけてじわじわと変わってくる子もいます。“10年経っても、まだ新しい話が出てきます”と保護者の方に言われたことがあるくらいですね。

――0~3歳のお子さんが対象の親子のプログラムもあるそうですね。

佐藤さん:はい。そのクラスでは手遊びを交えながら、親子で英語の歌などを楽しみます。物語を楽しむと同時に、英語の発音やリズムに触れ、言葉のイメージを膨らませながら英語に親しむことができます。

参加者の1人は、“ここに来たら絵本に触れ合えるだけでなく、友だちもできますし、子どもの成長に関して先生に相談できるのもありがいたいです”とおっしゃってくださいました。

“子育てをするには本当によい街”、宮下エリアの魅力について

――ここからは教室のある宮下エリアについて聞かせてください。

佐藤さん:落ち着いた静かな環境があり、穏やかな時間が流れているように感じます。特に子育てをされている方には向いている街だと思います。自然を感じながら、親子で安心して歩ける散歩コースもたくさんあります。

穏やかな環境でありながら都心へアクセスしやすい(「君津バスターミナル」の様子)
穏やかな環境でありながら都心へアクセスしやすい(「君津バスターミナル」の様子)

これだけ自然豊かな環境でありながら、東京湾アクアラインがあるので東京へ行くにも便利です。東京方面行きのバス路線も充実していますし、アクセスのよさから都内まで通勤している方もたくさんいらっしゃいます。

――宮下エリアで暮らすことのメリット、また、子どもさんがいる家族にとって嬉しいことはどのようなところだと思いますか?

佐藤さん:やはり、自然が身近にあるというのが一番だと思います。「マザー牧場」も近いですし、富津まで行けば潮干狩りも楽しめます。また、都心からの高速バス路線があるくらい人気の「三井アウトレットパーク木更津」も生活圏内です。

「三井アウトレットパーク木更津」もほど近い
「三井アウトレットパーク木更津」もほど近い

近くの小糸町ではいちご狩りができ、また小糸在来の枝豆は本当に美味しく、季節ごとの味覚を楽しむことができます。春には春の、夏には夏の匂いといった具合に、四季の繊細な移ろいを感じることができるのも、この街に住むことのよさではないかなと思います。

――これから宮下エリアに興味を持たれている方に、ぜひメッセージをお願いできますか?

佐藤さん:繰り返しになりますが、子育てをするには本当によい街だと思います。都心で“子育ては孤独”と感じた方も、ここなら別の気持ちになるかもしれません。私の地元ということで思い入れが強いのは確かですが、それを差し引いたとしても、ここは住みやすい街だと思いますよ。ぜひいっしょに子育てを楽しみましょう。

「Labo Party(ラボ・パーティ)周南教室(きりん)」
「Labo Party(ラボ・パーティ)周南教室(きりん)」

Labo Party(ラボ・パーティ)宮下教室

ラボ・テューター(指導者) 佐藤 志津子 さん
所在地:千葉県君津市宮下2-12-20
電話番号:0120-808-743
URL:https://www.labo-party.jp/
※この情報は2024(令和6)年1月時点のものです。