スペシャルインタビュー

当事者目線で船橋の子育てを支援する情報媒体「Mamachi」編集部

「船橋市地方卸売市場」内に、子育てを地域全体で支えたいと2019(平成31)年4月に創刊された船橋の子育て情報媒体「Mamachi(ママチ)」の編集部がある。編集部のメンバーは船橋市在住のママを中心に構成されている。

今回はそんな編集部が拠点を置く「市場カフェ」で、編集長の小林夢生さんとイベント担当の小野田真理子さんに、活動内容や船橋市の子育て環境などについて伺った。

編集長 小林夢生さん(右)とイベント担当 小野田真理子さん(左)
編集長 小林夢生さん(右)とイベント担当 小野田真理子さん(左)

「Mamachi」の使命は、楽しみながら子育てできる仕組み作り

「Mamachi」編集長 小林 夢生さん
「Mamachi」編集長 小林 夢生さん

――まずは「Mamachi」の概要と編集部の活動内容について教えてください。

小林さん 「Mamachi」は紙とweb媒体があります。紙は毎月20日に発行し、船橋市役所や子育て支援センターなどで配布しています。掲載内容は、親子で参加できるワークショップや子育て世帯の交流会など船橋市で行われるイベントの紹介、各種サークルの紹介、子連れで行きやすいお店や便利な子育てサービスの紹介などです。食育コラムやレシピ紹介、子育てあるあるをテーマにした4コマ漫画も掲載しています。

主な活動は「Mamachi」の企画・編集ですが、その他にイベントや講座の企画・運営、SNS(Facebook、Instagram)の運営、雇用の創出と副業支援なども行っています。

毎月3,000部を発行し、市内約80ケ所で配布している「Mamachi」
毎月3,000部を発行し、市内約80ケ所で配布している「Mamachi」

――船橋市には「MyFuna」というタウン誌がありますが、それとは別なんですね。また、活動は情報発信だけではないのですね。

小林さん 運営会社は違いますが、「Mamachi」は「MyFuna」から派生した媒体で、船橋市に関する全体的な情報を網羅する「MyFuna」と、その中でも「ママ」にターゲットを絞った発信をしている「Mamachi」とで、お互いに補完しあっている事業です。私も以前は「MyFuna」の編集部員として活動していました。

私は船橋で生まれ育ったわけではなく、名古屋から東京を経て引っ越してきました。子どもたちも今では大きくなりましたが、当時は友人もいない知らない土地での子育てで心細かったです。「MyFuna」を制作する中で、「こんなところにママ向けの店があったんだ」とか「あのときここに来ればよかったんだ」とかを知ることが多く、こうした情報をもっとママたちに届けたいと思うようになり、それが「Mamachi」創刊につながりました。

「MyFuna」の仕事で知ったことのひとつが、地元の企業や活動団体が子育て世帯にサービスを提供したくても、接する機会が少なく、思うようにいかないことが多いということ。この両者をつなぎ、接点をもたせつつ、楽しみながら子育てをできる仕組みを作ることが「Mamachi」の仕事だと考えています。

平日に短時間で楽しめる無料講座「ふなばし大学」

「Mamachi」イベント担当 小野田 真理子さん
「Mamachi」イベント担当 小野田 真理子さん

――企画・運営されるイベントにはどのようなものがありますか?また、参加される方はどのような方が多いのでしょうか。

小野田さん 店舗の空き時間を活かしたワークショップ、地域の子どもたちが仮装を楽しめるハロウィンのウォークラリーなど、いろいろです。船橋の名産である梨のブランディングにも携わっていますし、試食会から派生してママたちが考案したレシピ本を制作するのに協力してほしいという依頼を受けることもあります。

定番のイベントは、「イオンモール船橋」で毎月行っている「ひるマルシェ」と、「船橋総合住宅展示場」で年に6回開いている「ほっこりマルシェ」です。どちらも雑貨の販売やワークショップを行っています。どれも参加者の多くは地域に暮らす親子です。

「イオンモール船橋」で毎月行われている「ひるマルシェ」の様子
「イオンモール船橋」で毎月行われている「ひるマルシェ」の様子

――最近で特に反響のあった記事はどんなものでしょうか。

小林さん 「子どもの習い事」をテーマにした座談会ベースの特集記事には、多くの感想をいただきました。「子どもが好きなことをやらせればいい」という人もいれば、「学校の必須科目だからやらせておきたい」という人もいたりして、さまざまな考え方を知ることができた点が良かったようです。

当時反響のあった実際の記事紙面
当時反響のあった実際の記事紙面

――近年の新しい活動があれば教えてください。

小野田さん 今年の2月から、MyFuna・Mamachi・市場カフェの共同事業として、平日短時間で楽しめる無料講座「ふなばし大学」をスタートさせました。材料費がかかるものはありますが、受講料はすべて無料です。ららぽーとTOKYO-BAYで学童保育をしていた「ウィズダムアカデミー ららぽーとTOKYO-BAY船橋校」の協力もあり、6月からは同所を「ふなばし大学」のららぽーと校として利用させてもらえることとなりました。内容は、マヤ暦、親子コミュニケーション、セルフエステ、パン教室、ワイン講座、貯蓄術についてのレクチャーなどさまざまです。

「Mamachi」編集部の階下にある「市場カフェ」
「Mamachi」編集部の階下にある「市場カフェ」

以前から、自宅で活動しているフリーランスの方々の「自分をアピールする場がない」「集客イベントをやる場所がほしい」という声は多く、そんな人たちの悩みを解決できないだろうか?というのが、弊社全体としての課題でもありました。そんなときに愛知県岡崎市の商店街から生まれた「まちゼミ」という取り組みについて知り、それが北習志野でも開催されると聞いて触発され、「ふなばし大学」を企画しました。

「MyFuna」や「Mamachi」では多くのハンドメイド作家さんともSNSでつながっているので、みなさんを講師に講座を開けるのではという話になったんです。ある程度の規模のイベントにすればPRも効果的ですし、フリーランスの方同士でつながって情報交換もできます。今後も継続して開催していきたいです。

様々な企画がある「ふなばし大学」
様々な企画がある「ふなばし大学」

街と自然のバランスが良い船橋市。周辺ですべて完結できる北習志野

――北習志野周辺で注目すべきイベントやサークル活動があれば教えてください。

小林さん 注目イベントの一つとして、いまの「ふなばし大学」の話に出た「まちゼミ北習志野」があります。開催中の第1回目は4月いっぱいで終わりますが、英語による絵本の読み聞かせ教室、ママ会、猫のお世話体験、ギター講座など幅広いラインナップですよ。この先も第2回、3回と実施するのではないでしょうか。

子育て中の方が普段参加できる場所や集まりなら、元保育士の方がオーナーを務める、エビス通り沿いの「レンタルスペースCue(キュー)」がおすすめです。子育てと小児科勤務の経験がある現役の看護師や助産婦から成るNPO「マザーナース・オリーブ」も、北習志野を拠点に活動しています。どちらも子育て支援に力を入れていて、ベビーマッサージやママたちのおしゃべり会などを行っています。

「第1回まちゼミ北習志野」のチラシ
「第1回まちゼミ北習志野」のチラシ

――船橋市で子育てをすることの魅力はどんなところでしょうか。

小林さん 街と自然のバランスが良いところでしょう。買い物を楽しみたければ「IKEA Tokyo-Bay」や「ららぽーとTOKYO-BAY」、「イオンモール船橋」などがある。キャンプに行きたければ「ふなばしアンデルセン公園」の周辺にキャンプ場がいくつもありますし、八千代や鎌ヶ谷にもあります。釣りがしたけば「船橋漁港」に行けばいい。船橋市のどの辺りに住むかにもよりますが、車があると便利だと思います。

魅力的な遊び場としては「ふなばしアンデルセン公園」は外せませんね。一日ではまわりきれないほど広いので、何度行っても子どもが飽きないし、大人も楽しめます。年間パスポートを使うとすごく安いし、船橋市民は特にお得ですよ。

「ふなばしアンデルセン公園」
「ふなばしアンデルセン公園」

小野田さん 共働きの家庭にとっては「船っ子教室」が大きな魅力だと思います。小学生が放課後に安心して過ごせる学童のようなもので、船橋市のすべての市立小学校にあります。無料で利用できるんですよ。

――北習志野周辺の住環境・子育て教育環境の魅力をお聞かせください。

小林さん 北習志野には生活に必要なものがそろっていて、周辺で全部完結できるんです。商店街もあるし、スーパーマーケットもある。「しまむら」や大きな「北習志野近隣公園」もあるし、「高根公団」駅の近くには恐竜のオブジェがある「高根木戸第3号公園」もある。遠くまで行く必要がないので住みやすいと思います。

「北習志野エビス通り商店会」
「北習志野エビス通り商店会」

その一方で、東葉高速鉄道が通っているから都内にも出やすいし、八千代にも数分で行けます。あと、新京成線ではラーメンラリーやいちご狩りなどいろんなイベントをやっているんですよ。子どもも喜びますし、大人も一緒に楽しめます。

それと、駅前の商店街が特徴なので、ぜひ足を運んでほしいです。フレンドリーで優しい方たちばかりですし、子育てサークルなど地域の情報を知ることもできると思います。

 

編集長の小林 夢生さん(左)、編集部員の小野田 真理子さん(右)
編集長の小林 夢生さん(左)、編集部員の小野田 真理子さん(右)

Mamachi編集部

編集長 小林 夢生さん(右)、編集部員 小野田 真理子さん(左)
所在地:千葉県船橋市市場1-8-1 船橋市地方卸売市場関連棟(株式会社フィット内)
Mail:Mamachi.info@gmail.com
URL:https://www.mamachi.online/
※この情報は2023(令和5)年5月時点のものです。

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