スペシャルインタビュー

2018(平成30)年開校の新設校。小中連携に取り組む「柏市立柏の葉中学校」の魅力とは。

つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅から徒歩約15分。今回は、開校から2年目を迎えた「柏市立柏の葉中学校」の菅原英一校長先生を訪ね、校内を案内いただき、空中通路で小学校とつながった校舎や開校時に大きな話題となった制服、周辺エリアの魅力などさまざまなお話を聞かせていただいた。

―「柏の葉中学校」の概要について教えてください。

外観
外観

本校は、2018(平成30)年4月に開校したばかりの新しい公立中学校です。千葉県柏市の北部中央地区の人口増加に対応するため、新設されました。全校生徒数は1年生65名、2年生73名、3年生19名の計157名。昨年度はすべてが初めてな上に生徒数も少なく、不安もありましたが、皆で力を合わせて学校の基礎を築くことができました。

―今後の生徒数については、どのように予測されていますか。

菅原英一校長先生
菅原英一校長先生

生徒数はどんどん増えて10年後くらいにピークになるとみています。私立の中学校に進学する子も多いので、500~600名くらいになるのではと予測しています。本校には22教室あるので、今と同じ1クラス38人程度としても十分に足りる計算です。もし見込み以上に増えても、校舎の増築を想定したスペースを敷地内に確保しているので安心です。

―どんな教育をめざしていますか

昇降口
昇降口

教育目標は「生きる力を育み、夢の実現に向けて、自ら考え、行動する生徒を育成する~地域とともに教育を想像し、生徒一人一人の個性と能力を伸ばす学校~」。一体型の校舎を活かして、小中連携教育を推進し、地域とともに社会が求める人材を育んでいきます。

―新しく建てられた学校ならではの、特徴的な設備や機能などはありますか。

柏の葉小学校につながる空中通路
柏の葉小学校につながる空中通路

一番の特徴は、隣接する「柏市立柏の葉小学校」と空中通路でつながっていることですね。生徒も教員も、普段から行き来しています。中学校の教員は小学校の授業を見学することで学習進度を把握できるほか、同じテーマを扱う際に授業内容を変えるなど細やかな配慮が可能になります。時代に即した設備としては、電子黒板などICT環境の充実、太陽光パネルの設置などでしょう。体育館や図書室が道路沿いに配置されているのは、開放時に地域住民が利用しやすくするため。これも時代の流れに合わせた配慮だと思います。

―保護者の方々や生徒たちの反応はいかがですか。

黒板に取り付けられたプロジェクター
黒板に取り付けられたプロジェクター

生徒の多くは「柏の葉小学校」から来るので新鮮さは感じないようですが、保護者にはとても好評です。小学校にもお子さんがいる保護者の方からは、簡単に行き来できるのが便利だという声をいただいています。ですので、授業参観などは可能な範囲で同じ日に実施するよう心がけています。また、教室の窓が大きく見学しやすい点も評判が良いですね。教室からも廊下がよく見えるので、この点は防犯面でも良いと感じています。

―設備の共有などはありますか。

まるでクッキングスタジオのような、ガラス張りの調理室
まるでクッキングスタジオのような、ガラス張りの調理室

プールと給食室は共有で、どちらも小学校にあります。また、小学校6年生の教室を中学校の校舎に置いて、いわゆる“中1ギャップの解消”を図っています。昼休みには、6年生にも中学校の校庭と図書室を開放していますよ。

―開校時には、制服がLGBTに配慮していると話題になっていましたね。どのような経緯で作られたのでしょうか。

100mの直線走路がある、広い校庭
100mの直線走路がある、広い校庭

「制服は必要か」というところから、保護者や子どもたちとも一緒になって決めました。男女とも上はブレザーです。中はワイシャツかブラウス、下はズボンかスカート、小物はネクタイかリボンで、いずれも性別に関係なく着たい方を選べ、組み合わせは自由です。トップスに関しては、夏はポロシャツを選ぶこともできます。珍しいのはボトムスを選べる点でしょう。性的マイノリティーへの配慮という点ばかりが大きく取り上げられましたが、一番に考えたのは機能面のメリットです。「冬にスカートは寒い」「ズボンの方が動きやすい」といった意見が反映されました。

―小学校と連携して進めている取り組みや活動などはありますか。

電源コードを足に引っ掛ける心配のない技術室
電源コードを足に引っ掛ける心配のない技術室

図書委員が中心となって、小学校に出向いて小学生に本の読み聞かせをしたり、本校への入学を控えた小学6年生に一週間ほど部活を体験してもらったりしています。通常、部活動体験は冬休みなどに行うことが多いのですが、本校は学校間の行き来しやすいので、通常の朝練の時間に体験入部をしてもらっています。生徒会からは、小中合同で積極的な挨拶を推進する挨拶運動をやろうという話が出ているほか、委員会活動の連携もできるのではないかと考えています。

―2年目に入ったばかりですが、部活にはどんな種類があるのでしょうか。

観覧席が設けられた体育館
観覧席が設けられた体育館

現在は、卓球部、バスケットボール部、陸上部、美術部、吹奏楽部の計5つです。ちなみに「柏の葉小学校」を拠点にしている地域の少年サッカークラブ「まちのサッカークラブ」には、中学校の校庭をよく貸しています。

―今年度は、「柏の葉小学校」とともに「コミュニティスクール」の指定を受けていますね。今後の活動予定などは決まっていますでしょうか。

熱がこもりやすい体育館は、出入口を大きく開放できる
熱がこもりやすい体育館は、出入口を大きく開放できる

5月9日の第一回学校運営協議会で、役割分担などを決める予定です。本格的な始動はそこからです。周辺には「東京大学」や「千葉大学」のキャンパス、「科学警察研究所」や「国立がん研究センター東病院」などがあるので、この立地を教育活動に活かせればと考えています。また、地域の方を対象とした公開講座の実施も考えています。

―今後予定している行事などあれば教えてください。

音響に配慮して設計された音楽室
音響に配慮して設計された音楽室

今年の11月に、本校で大規模な音楽発表会を行う予定です。参加するのは本校と「柏の葉小学校」、「県立柏の葉高校」と「柏の葉こども園」です。学校運営協議会や地域の人たちに来ていただいて盛り上げたいと思っています。昨年度は開校したばかりだったのでなかなか進められませんでしたが、今年度は小学校と地域との連携に、より力を入れていきたいです。

―柏の葉キャンパスエリアの子育て環境の魅力、おすすめスポットなどを教えてください。

教育相談室 3部屋のうち1つは保健室とつながっている
教育相談室 3部屋のうち1つは保健室とつながっている

商業施設が充実していて便利ですね。計画的に作られているので、街並みもすっきりしています。駅前はマンションが建ち並んでいますが、少し離れるだけで豊かな自然がある点も魅力です。実は、校庭にピーターラビットのような茶色い野ウサギが出るんですよ。キジを見かけたこともあります。「こんぶくろ池」周辺には貴重な植物も生息しているそうです。一番のおすすめスポットは「県立柏の葉公園」です。BBQ場やボート池、小さな子が安心して水遊びできる場所もあります。園内にある総合競技場も立派で、今年のラグビーワールドカップで柏市を事前キャンプ地とするニュージーランド代表の「オールブラックス」の屋外練習施設としても利用される予定なんですよ。買い物環境も子育て環境も充実していて、とても住みやすい街だと思います。

今回、話を聞いた人

菅原校長先生
菅原校長先生

千葉県柏市立柏の葉中学校
校長 菅原英一先生

所在地:千葉県柏市十余二337-93 中央405街区1
電話番号:04-7136-7820
URL:http://www.kashiwaha-j.kashiwa.ed.jp

※この情報は2019(令和元)年5月実施の取材にもとづいた内容です。記載している情報については、今後変わる場合がございます。

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